多関節痛 :トップ    
監修: 野口善令 名古屋第二赤十字病院
綿貫聡 東京都立多摩総合医療センター 救急総合診療センター

概要

症状のポイント:
  1. 多関節痛患者の診察において、まず関節周囲の痛みなのか関節の痛みなのか、また、関節の痛みの場合は、非炎症性関節痛なのか、関節炎なのかを病歴・身体所見から区別することが必要である。
  1. 関節痛を示唆する所見として、“関節直上での痛み”、“すべての関節可動域(ROM)方向で痛み”がある。逆に、関節周囲の痛みを示唆する所見として“自動痛が他動痛より大きい”ことが挙げられる。
  1. 関節痛を認める場合で、関節周辺に腫脹、圧痛、熱感、発赤などの局所の炎症所見があれば関節炎、炎症所見がなく痛みのみの場合は関節痛であることが多い。
  1. 関節痛・関節炎の診断アルゴリズム:アルゴリズム

緊急対応: >詳細情報 
  1. 緊急の対応が必要な疾患としては、感染性心内膜炎、化膿性関節炎などの感染症が挙げられる。

症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 症状治療としては、疼痛緩和としてアセトアミノフェン、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)などの使用が考えられる。
 
診断へのアプローチ:(診察: >詳細情報 )
  1. 多関節痛の鑑別疾患として、関節リウマチ(RA)と類似した疾患群が多く、鑑別に注意を要する。2010年に改定された米国リウマチ学会(ACR)/欧州リウマチ学会(EULAR)の関節リウマチ診断基準で基準を満たしたとしても、他疾患の除外が行われていることが関節リウマチの診断の前提になる。また、特に若年女性では、パルボウイルス感染症、炎症性腸疾患(IBD)関連関節炎の除外が必須である。
  1. 米国リウマチ学会(ACR)/欧州リウマチ学会(EULAR)の関節リウマチ診断基準:<図表>
  1. 重篤な疾患である、感染性心内膜炎、化膿性関節炎などを評価することも大事である。穿刺と穿刺液の評価が可能な場合には穿刺を行うことが望ましい。
  1. 多関節痛の患者は、下記のようなステップで評価をするとよい。(ステップの詳細: >詳細情報 )
  1. STEP1:本当に関節痛・関節周囲の痛みかどうかを確認する。
  1. STEP2:関節周囲の痛みと関節の痛みの鑑別を行う。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時関節炎評価のための検査
  1. 上述のように、下記のようなステップで評価をするとよい。(ステップの詳細: >詳細情報 )
  1. 頻度が高い疾患は、関節リウマチ、変形性関節炎、結晶性関節炎等であるが、関節リウマチ(RA)と類似した疾患群が多く、鑑別に注意を要する。また、特に若年女性では、パルボウイルス感染症、炎症性腸疾患(IBD)関連関節炎の除外が必須である。
  1. 重篤な疾患として感染性心内膜炎、化膿性関節炎等を考慮する。
  1. STEP1:本当に関節痛・関節周囲の痛みかどうかを確認する。
  1. STEP2:関節周囲の痛みと関節の痛みの鑑別を行う。
  1. STEP3:急性・慢性の評価、安静時痛の有無を鑑別する。
  1. STEP4:患者背景を考慮する。(年齢と想起すべき疾患:アルゴリズム)
  1. STEP5:疼痛部位を確認する。(関節痛の部位による鑑別疾患:アルゴリズム)
  1. STEP6:特徴的な所見を評価する。
  1. STEP7:随伴症状の聴取を行う。
  1. STEP8:関連した病歴の聴取を行う。
  1. STEP9:想起される疾患に沿って身体所見を確認する。
  1. STEP10:各種検査を提出する。
○ 多関節痛の場合、下記の1)-11)を鑑別疾患に合わせて適宜行う。化膿性関節炎を疑う場合は12-14)を、シェーグレン症候群を疑う場合は15)-17)を、混合性結合組織病(MCTD)を疑う場合は18)を、成人スティル病を疑う場合は19)を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

関節痛・関節炎の診断フローチャート
年齢と想起すべき疾患(関節炎)
関節痛の部位による鑑別疾患
改訂リウマチ診断基準(米国リウマチ学会、欧州リウマチ学会2010)
1987ACR診断基準●リウマチの診断基準(米国リウマチ学会1987)
新基準使用時のRA鑑別疾患難易度別リスト
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01


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