胃癌 :トップ    
監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院
井ノ口幹人 東京医科歯科大学 胃外科

概要

疾患のポイント:
  1. 胃癌とは、胃に発生する悪性腫瘍の総称である。
  1. 胃癌はわが国での癌の臓器別死亡原因の第3位を占める。
  1. 粘膜下層に浸潤すると10%以上の症例で領域リンパ節への転移がみられる。
  1. 筋層に浸潤すると進行胃癌と定義される。
  1. リンパ行性、血行性に加え、播種性の転移を来しやすい。
  1. 好発部位は前庭部であったが、最近では胃上部の胃癌が増加している。
  1. 特に食道胃接合部の腺癌が増加しており、胃癌学会、食道学会の共通の課題として標準治療の確立に取り組んでいる。
  1. 主に分化型と未(低)分化型に分かれるが、異なった組織型が混ざったものもある。
  1. 治療後に残胃に新たに癌ができることがある(残胃の癌)。
  1. 同時性多発胃癌は6~10%にみられる。高齢、男性、分化型の癌に多くみられる。
 
診断: >詳細情報 
  1. 内視鏡検査および内視鏡下生検で診断する。
  1. 消化管造影で胃癌が疑われる場合にも、確定診断のための内視鏡検査および内視鏡下生検が必要である。
  1. 肉眼所見で癌を強く疑うが、生検で確定診断に至らない場合には、繰り返しの生検が必要である。
 
予後・ステージング: >詳細情報  >詳細情報 
  1. わが国では胃癌の病期診断にはTNM分類ではなく胃癌取扱い規約による病期分類が用いられるが、最新版ではT因子、N因子ともに共通となり、互換性がある。
  1. 主に内視鏡検査をもとに深達度診断を行う。深達度診断、胃周囲リンパ節腫大の診断、胃周囲の腹水の有無の診断のために、超音波内視鏡検査が有用な場合もある。
  1. ステージングのための画像検査は主に造影CTで行う。肝転移とリンパ節転移の診断に有用である。
  1. 腹膜転移については、腹部CT、注腸造影検査などで評価できることもあるが、より精度が高い診断のためには審査腹腔鏡が必要となる。
  1. 予後に関しては、胃癌学会登録委員会によって、2002年に根治的な胃切除術が行われた12,644例のデータを解析した結果が胃癌学会誌に掲載されている。
  1. 胃癌取扱い規約(第13版)による臨床病期別生存曲線:<図表>
 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時、ステージング、合併症の確認
  1. 診断確定のための検査と、病期診断、治療方針決定のために必要な検査を行う。
  1. 進行胃癌は進行が早いため、なるべくすみやかに診断を確定し、治療方針を決定する。
  1. 早期胃癌の場合には、余裕を持って治療計画を立てることが可能である。
○ 診断確定のために7)、9)を行い、術前スクリーニングとして1)~6)、8)を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

日常診療で推奨される治療法選択のアルゴリズム
早期胃癌に対する内視鏡下粘膜切除術
胃癌取扱い規約(第13版)による臨床病期別生存曲線
胃癌のステージ分類(胃癌取扱い規約第15版)
0-IIc型早期胃癌
1型進行胃癌の切除標本
著者校正済:2018/08/23
現在監修レビュー中

改訂のポイント:
  1. 胃癌治療ガイドライン第5版
  1. 胃癌取扱い規約 第15版
に基づき改訂を行った。


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