胃癌

著者: 井ノ口幹人 武蔵野赤十字病院 消化器外科

監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院

著者校正/監修レビュー済:2019/07/10
参考ガイドライン:
日本胃癌学会胃癌治療ガイドライン第5版、および速報(2019年3月)

概要・推奨  

  1. Stage II, IIIの患者には、術後1年間のS-1内服、または半年間のカペシタビン・オキサリプラチン併用療法による補助化学療法を行うことが推奨される。
  1. 根治を目的とした胃癌の手術において、リンパ節郭清は長期予後を改善させる。
  1. 予防的郭清としての大動脈周囲リンパ節郭清は、進行胃癌の予後を改善しない。
  1. 進行・再発胃癌に対して推奨される化学療法は、S-1またはカペシタビンとシスプラチンまたはオキサリプラチンの併用である。
  1. HER2陽性胃癌に対してトラスツズマブを含む併用化学療法が有効である。
  1. 洗浄細胞診陽性の胃癌に対しては、集学的治療の一部として定型手術を考慮してもよい。
  1. 画像上、大動脈周囲リンパ節転移を有する胃癌に対し、術前補助化学療法後の拡大郭清を行うことには意義がある可能性がある。
  1. 一次治療に抵抗性の進行・再発胃癌に対して二次治療を、二次治療に抵抗性の胃癌には三次治療を行う意義はある。
  1. 腹腔鏡下手術に慣れた術者(チーム)であれば、早期胃癌に対して腹腔鏡補助下幽門側胃切除術は安全に施行できる。
  1. 肝転移症例のなかには、集学的治療の一部として肝切除を行う意義がある症例も存在する。
  1. 胃癌に対して定型手術を行った患者の定期フォローアップは生存期間を延長しない。
  1. 胃上部の進行胃癌に対する定型手術で脾摘を行う意義は否定された。大弯病変を除く胃上部進行癌に対し、予防的郭清を目的とした脾摘はわないことを推奨する
  1. 3cm未満の食道浸潤を有する胃癌において、左開胸アプローチにより縦隔リンパ節を郭清する意義は乏しい。
  1. 臨床的T3(SS)、T4a(SE)の進行胃癌に対して網嚢切除をわないことを推奨する
  1. 単一臓器への遠隔転移(16a2/b1大動脈周囲リンパ節転移を除く)を有する胃癌に対して、出血や狭窄がなければ原発巣切除の意義は乏しく、化学療法を先行することを推奨する。特に上部胃癌では胃切除を行わないことを推奨する
 
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 日本胃癌学会の胃癌治療ガイドライン速報(2019年3月)に基づき、化学療法の改訂を行った。


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