今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 塩田星児1) 大分大学医学部附属病院 総合内科・総合診療科

著者: 村上和成2) 大分大学医学部 消化器内科学講座

監修: 上村直実 国立健康危機管理研究機構 国府台医療センター

著者校正/監修レビュー済:2024/05/29
参考ガイドライン:
  1. 日本ヘリコバクター学会H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版
  1. 日本消化器病学会:消化性潰瘍診療ガイドライン2020 改訂第3版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、以下について加筆・修正した。
  1. 胃炎の京都分類が改訂第3版(2023)に更新された。
  1. 2022年12月に日本ヘリコバクター学会から発表された「血清抗体法を用いたヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染診断に関する注意喚起(2022年度版)」が発表され、以下の点が強調された。
  1. 血清抗体検査と同日に上部消化管内視鏡検査を実施している場合、現感染を確認するため(A)尿素呼気試験または(B)便中抗原検査を追加実施することが推奨される。
  1. 血清抗体検査結果判明後に内視鏡を行う場合、(A)または(B)を追加するか、内視鏡検査時に(C)迅速ウレアーゼ試験、(D)鏡検、(E)培養、(F)核酸増幅法、いずれかを追加実施することが推奨される。
  1. ピロリ菌のCAM耐性率においては、日本ヘリコバクター学会が集計した2018年~2020年の全国調査では35.5%まで上昇している(Okimoto T, et al. Helicobacter. 2023 Oct 12:e13028.)。

概要・推奨   

  1. ピロリ菌感染症には除菌治療が勧められる(推奨度1)
  1. 胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、たとえ瘢痕期であっても除菌治療が勧められる(推奨度1)
  1. 早期胃癌に対して内視鏡的治療を行った場合も除菌治療が勧められる(推奨度1)
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要とな
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧に
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要と
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧に
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. ヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)は1982年オーストラリアのWarrenとMarshallによって分離され、その後消化性潰瘍との関連が証明された。
  1. ピロリ菌感染によってもたらされる萎縮性胃炎は胃癌の発生母地であることが明らかになり、1994年WHOの下部組織であるIARCにより胃癌の第一級の発癌因子であることが認定され、世界各国で除菌治療が行われるようになった。2014年にはIARCが胃癌予防としてピロリ菌除菌による対策を推奨した。
  1. わが国では2000年に日本ヘリコバクター学会から「H. pylori感染の診断と治療ガイドライン」が発表され、03年、09年、さらには2016年に改訂(以下、2016改訂版ガイドライン)された。また、胃潰瘍ガイドラインの適用と評価に関する研究班から07年に「EBMに基づく胃潰瘍診療ガイドライン」が、日本消化器病学会から09年に「消化性潰瘍診療ガイドライン」が発表され、ピロリ菌除菌治療についても記載されている。2015年、2020年には改訂版も発表された。
  1. 除菌治療の保険適用疾患が、胃潰瘍・十二指腸潰瘍のみから、2010年より胃MALTリンパ腫、免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病(ITP)、早期胃癌に対する内視鏡的治療後が追加となった。
  1. さらに2013年2月には「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」に対する除菌治療が保険適用となった。
  1. 現在、ピロリ菌除菌治療は一般臨床の場でも行われるようになってきたが、その一方でいくつかの問題点も指摘されている。
  1. 2018年に日本小児栄養消化器肝臓学会から、「小児期ヘリコバクター・ピロリ感染症の診療と管理ガイドライン2018(改訂2版)」が発表されているが、日本ヘリコバクター学会から提唱されている方針と異なる箇所があるためここでは言及していない。ただし、小児に対する診断や治療の際には一読することをお勧めする。
 
  1. 萎縮性胃炎に対する除菌により胃粘膜の萎縮が改善し、胃癌の発生抑制が期待できることから、除菌治療が勧められる(推奨度1)
  1. まとめ:ピロリ菌除菌により組織学的胃炎が改善することは明らかであるが、組織学的胃粘膜の萎縮も改善する。腸上皮化生については結論が出ていない。
  1. 代表事例:わが国における大規模ランダム化臨床試験[1]では組織学的な萎縮スコアの改善を認め、メタ解析[2][3]でも胃粘膜の萎縮が除菌により改善されることが明らかとなっている。一方腸上皮化生についてはメタ解析では「除菌により腸上皮化生の改善傾向はあるものの、統計学的な有意な改善ではない」であった[2][3]。またわが国で10年間調査した研究では、除菌により胃体部大弯は半年後から、胃前庭部大弯、胃角部小弯、胃体部小弯は1年後から、胃前庭部小弯は6年後から、萎縮は有意に改善した[4]
  1. 結論:ピロリ菌除菌により組織学的胃粘膜の萎縮が改善する。
  1. 追記:2013年2月には「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」に対する除菌治療が保険適用として追加され、その診断には内視鏡検査が必須とされている。
問診・診察のポイント  
  1. ピロリ菌の感染率は年齢ともに上昇する。日本においては第2次世界大戦後に生まれたものでは感染率が低く、以前に生まれたもので感染率が高い。ピロリ菌の感染経路はいまだ明らかとなっていないが、衛生状況、ならびに家族間での感染が最も考えられている。したがって、家族にピロリ菌感染者がいたことや、消化性潰瘍、胃癌の家族歴があることはピロリ菌感染を疑わせるものとなる。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
塩田星児 : 特に申告事項無し[2024年]
村上和成 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:上村直実 : 講演料(武田薬品工業(株),大塚製薬(株))[2024年]

ページ上部に戻る

ヘリコバクター・ピロリ感染症

戻る