今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 井ノ口幹人 武蔵野赤十字病院 外科

監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院

著者校正/監修レビュー済:2024/06/26
参考ガイドライン:
  1. 日本胃癌学会:胃癌治療ガイドライン 医師用 2021年7月改訂 第6版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 切除不能進行・再発胃癌に対する一次治療についてのガイドライン速報(2021年12月)の内容に基づき、以下について追記した。
  1. 切除不能進行・再発胃癌の場合には化学療法の適応となる。分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の選択のために、腫瘍の生検や切除材料を用いてHER2蛋白質、PD-L1蛋白質の免疫染色を行う。またミスマッチ修復蛋白質の免疫染色も行いマイクロサテライト不安定性を調べておく。
  1. HER2陰性の切除不能進行・再発胃癌に対して推奨される一次治療は、フッ化ピリミジン製剤(S-1、カペシタビン、5-FU)とプラチナ製剤(オキサリプラチン、シスプラチン)の化学療法とニボルマブの併用療法である。
  1. 近年、免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブと化学療法の有用性を示す2つのランダム化試験が発表された。1つ目が日本を含む全世界で施行された第Ⅲ相のCheckMate649試験である(Janjigian YY, et al. Lancet. 2021 Jul 3;398(10294):27-40.)。CPS (combined positive score:腫瘍組織における PD-L1 を発現した腫瘍細胞及び免疫細胞数の総腫瘍細胞数に対する%)が5以上のサブセットにおける無増悪生存期間は化学療法+ニボルマブ群で有意に延長し、奏効割合は化学療法+ニボルマブ群で高かった。中間解析において全生存期間も有意に化学療法+ニボルマブ群で延長していた。全登録例でも全生存期間は有意に延長した。
  1. 2つ目はアジア(日本・韓国・台湾)にて実施された第II/III相のATTRACTION-4 試験である(Kang YK, et al. Lancet Oncol. 2022 Feb;23(2):234-247.)。HER2 陰性の未治療胃癌患者に対する標準治療(S-1 とオキサリプラチンの併用療法もしくはカペシタビンとオキサリプラチンの併用療法)に対するニボルマブの優越性が検討され、ニボルマブ併用群で無増悪生存期間は有意に延長した。しかし全生存期間は有意差を認めなかった。本試験ではCPSを用いた解析は行われていない。

概要・推奨   

  1. 内視鏡的粘膜下層剥離術の絶対適応は、臨床的StageⅠの粘膜内癌のうち、①分化型、UL0(潰瘍瘢痕なし)、②分化型、UL1(潰瘍瘢痕あり)、大きさが3 ㎝以下、③未分化型、UL0、大きさが2 ㎝以下である(推奨度1 RJ)
  1. 臨床的StageⅠに対する腹腔鏡下幽門側胃切除術は標準治療のひとつとして強く推奨する(推奨度1 RsJ)。腹腔鏡下胃全摘術と腹腔鏡下噴門側胃切除術は明確なデータはなく弱く推奨する(推奨度2 OJ)
  1. ロボット支援下手術は臨床的StageⅠに対して行うことを弱く推奨する(推奨度2 OJ)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. わが国を含む東アジアでは胃癌罹患の主な原因はヘリコバクター・ピロリ菌である。ピロリ菌の有する東アジア型CagAが胃癌の発症に深く関与していると考えられている[1]。しかし、わが国ではピロリ菌感染率の低下に伴い、罹患率が低下している。西欧や米国ではヘリコバクター・ピロリ菌感染率が低く、さらに欧米型CagAを有するため、胃癌の罹患率が低いと考えられる。一方で食道胃接合部癌は増加傾向であり、食道胃逆流症がリスク因子のひとつである[2]
  1. 他の胃癌のリスク因子としてアルコール摂取、喫煙、肥満、βカロテンの摂取不足、塩分・野菜の漬物・発酵大豆食品・加工肉の摂取が挙げられる[3]
  1. 男女比は2:1程度である。
  1. 2018年のInternational Agency for Research on Cancer (IARC) の報告(GLOBOCAN2018)では世界での胃癌の罹患数は約103万人(全癌罹患数の5.7%)であり、肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌に次いで第5位であった。死亡数は約78万人(全癌死亡数の8.2%)であり、肺癌、大腸癌に次いで第3位であった[4]
  1. わが国の2016年の胃癌の罹患数は約13万5千人であった。全体で大腸癌に次いで2位であり、男性では1位、女性では乳癌、大腸癌に次いで3位であった[5]
  1. わが国の2018年の胃癌の死亡数は約4万4千人であった。全体で肺癌、大腸癌に次いで3位であり、男性では肺癌に次いで2位、女性では大腸癌、肺癌、膵臓癌に次いで4位であった[5]
  1. 75歳未満の部位別がん年齢調整死亡率では男女とも年次推移で大きく減少傾向を示しており、男性では1995年に人口10万人対で28.9人(1位)から2016年に12.5人へ減少(肺癌、大腸癌に次いで3位)、女性では同年で12.1人(1位)から4.9人へ減少した(乳癌、大腸癌、肺癌に次いで4位)[6]
  1. 粘膜内、または粘膜下層にとどまるものを早期胃癌と定義する。
  1. 治療は外科的切除が主体であり、進行度などによって内視鏡的切除、腹腔鏡下手術、開腹手術などが行われる。
  1. 食道胃接合部癌は腫瘍の中心が食道胃接合部の上下2 cm以内に存在するものと定義する。海外ではSiewert分類が用いられておりType IIが相当する。
  1. 粘膜下層まで浸潤すれば10%以上の確率で所属リンパ節に転移するので、リンパ節郭清が必要と考えられている。
  1. リンパ行性、血行性、播種性のいずれのルートからも転移する、比較的悪性度の高い癌である。
  1. Stage II、IIIの場合の再発防止のための補助療法は有用である。補助療法としてS-1単剤、カペシタビン+オキサリプラチン、特にStage IIIの場合はS-1+ドセタキセル併用療法を行う。
  1. Stage IVの場合には、一般的に、化学療法、放射線療法、緩和手術、best supportive careのいずれか、あるいはその組み合わせで治療を行う。
  1. Stage IVのうち、個数が少なく他に遠隔転移のない肝転移例、少数の大動脈周囲リンパ節転移例、洗浄細胞診陽性例などは、外科的切除を含む集学的治療の適応である。
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 胃癌に特異的な症状は少なく、無症状の場合もしばしばある。経口摂取が可能かどうか、最近の体重の変動、栄養状態などに気を配る必要がある。全身麻酔の手術において周術期に問題となりそうな既往歴、喫煙歴などを確認する。喫煙者には速やかに禁煙を指示する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
井ノ口幹人 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:杉原健一 : 特に申告事項無し[2024年]

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