皮膚硬化 :トップ    
監修: 戸倉 新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科
長谷川稔 福井大学 皮膚科学教室

概要

症状のポイント:
  1. 皮膚硬化とは、膠原線維を代表とする細胞外基質の増加により皮膚に硬化を来した状態である。強皮症の症状として出現し、評価尺度としてはmodified Rodnan total skin thickness scoreなどが用いられる。
  1. 皮膚硬化は、皮膚や皮下の膠原線維の増加によって生じることが多いが、ムコ多糖などの物質の沈着でも硬化を認めることがある。
  1. 角層や表皮の変化によるものは、通常皮膚硬化とは呼ばない。
  1. 皮膚硬化部位は、皮膚をつまむと分厚く触れて皺ができにくく、硬化が強い部位ではつまみ上げが困難になる。
  1. 浮腫によっても皮膚が厚く、やや硬く触れることがあるが、浮腫の程度によって硬さに変化があり、厳密には皮膚硬化とはいえない。浮腫では通常圧痕を残すのに対し、皮膚硬化では圧痕がみられない。
  1. 皮膚硬化のために、関節の曲げ伸ばしが困難になり、関節の屈曲拘縮を来すこともある。

緊急対応: >詳細情報 
  1. 全身性強皮症などの全身性の疾患で、内臓病変の対処に緊急を要する場合は、膠原病やリウマチ性疾患の専門科や各臓器の専門科と連携して治療する。

症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 通常、診断後に加療に当たる。
 
診断へのアプローチ:アルゴリズム
  1. 皮膚硬化の原因は多彩であるが、びまん性の硬化では、全身性強皮症をまず念頭に置いて精査する。全身性強皮症の場合には、少なくとも手の指背には硬化(強指症)(早期には浮腫だけのことも)がみられ、レイノー現象、自己抗体が高率にみられる。合致しない場合には、上記の鑑別疾患に関して、他科と連携しながら診断を行っていく。
  1. 境界明瞭な限局性の皮膚硬化では、限局性強皮症(モルフェア)や硬化性萎縮性苔癬が代表的なものである。非典型的な場合は診断のために皮膚生検も考慮する。
 
鑑別疾患:(鑑別疾患のリスト: 鑑別疾患 )
  1. 下記の疾患が頻度が高い疾患、重篤な疾患、まれな治療可能な疾患である。
  1. 鑑別疾患:頻度の高い疾患: >詳細情報 
  1. 全身性強皮症、限局性強皮症、好酸球性筋膜炎、硬化性(…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

全身性強皮症で、皮膚硬化がびまん性に拡大する症例の治療
  1. 少量のステロイド内服が推奨される。
○ 関節の屈曲拘縮を防ぐため、1)を用いる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

皮膚硬化の診断アルゴリズム
全身性強皮症 (びまん皮膚型)
限局性強皮症(モルフェア)
好酸球性筋膜炎
皮膚硬化型慢性GVHD
慢性萎縮性苔癬
POEMS症候群
硬化性粘液水腫
薬剤誘発性の皮膚硬化
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01