今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 仲里信彦 沖縄県立南部医療センター・こども医療センター

監修: 徳田安春 一般社団法人 群星沖縄臨床研修センター

著者校正/監修レビュー済:2024/11/13
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、以下について加筆した。
  1. リンパ浮腫を疑った場合の「病期分類」と「重症度の評価」に加味すべき項目を追記した。
  1. 症例報告として、「甲状腺機能低下症に伴う粘液水腫からの顔面頚部の浮腫と下腿の非圧痕性浮腫」、「低アルブミン血症(タンパク漏出性胃腸症)に伴う全身浮腫」を追記した。

概要・推奨   

  1. 両側性下腿浮腫の原因として多いのは、うっ血性心不全、慢性下肢静脈不全、肺高血圧症、蛋白尿を伴った腎炎、薬剤性が多いとされる。片側性下腿浮腫の原因としては、急性はDVT、慢性は下肢静脈不全が多かった。したがって、分布、経時的変化をきちんと聞いたうえで診断を考えることが推奨される(推奨度1)
  1. 両下腿浮腫が見られ、頚静脈圧波が胸骨角から3 cm以上上昇している所見を有する患者は右心側の拡張期圧の上昇が疑われ、左心不全、肺性心、肺高血圧症、循環血液量過多の存在を疑い、精査を行うことが推奨される(推奨度2)
  1. 発症3カ月以内の圧痕性浮腫の圧痕の回復時間(pit-recovery time)が40秒未満の場合、低アルブミン血症(3~2.5 g/dL以下)を疑い血中アルブミンの検査を行うことが奨められる(推奨度2)
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 浮腫とは、3rdスペースと呼ばれる組織間質への過剰な体液の貯留のことであり、多様な原因によって生じるとされる。アレルギー性の局所浮腫を除くと、一般的には間質への体液貯留が2.5~3 Lになると浮腫として観察される。
  1. 両側性(全身性)浮腫と片側性(局所性)浮腫に大別される。しかし、検査・画像所見のみで診断することは困難である。
  1. 原因疾患は多岐にわたるが、以下のように病態生理的に考えるとよい。
  1. ①毛細血管内の静水圧の上昇
  1. ②膠質浸透圧の低下
  1. ③毛細血管の透過性の亢進
  1. 静水圧のバランス異常は、静脈圧の増大による毛細血管内圧の上昇が起こり、間質へ水分が移動して浮腫となる。深部静脈血栓症などの片側性浮腫、うっ血性心不全などの両側性浮腫がある。
  1. 膠質浸透圧のバランス異常は、低アルブミン血症による血管内の膠質浸透圧の低下が起こり、血管内に水分を保てず、間質へ水が貯留する。両側性の浮腫がみられる。
  1. 腎臓でのNa・水の再吸収の亢進が、両側性浮腫に影響する。ネフローゼ症候群や肝硬変でも低アルブミン血症に伴うunderfillingだけではなく、腎での1次性のNa貯留によるoverfillingが関与している。
  1. 毛細血管の血管透過性亢進により間質に水分が漏れ出る。局所の炎症、アレルギー反応による血管浮腫が局所や全身性に起こる。
  1. リンパ管閉塞では、間質からのリンパ還流を妨げ、局所的なリンパ浮腫を来す。
 
浮腫の病態生理

浮腫を形成する要因には間質および血管内の静水圧と膠質浸透圧が主に関与している。さらに炎症ではサイトカインの放出により、毛細血管の透過性が亢進する。また、リンパ管の閉塞によりリンパ浮腫が起こる。

出典

Cho S, Atwood JE. Peripheral edema. Am J Med, 2002; 113(7): 580-6. Review.(改変あり)
 
  1. 鑑別疾患は多様であるが、まず心疾患、肝疾患、腎炎を考え、重篤かつ緊急の治療が必要な疾患を除外する必要がある。プライマリーケア医を受診する患者における両側下腿浮腫の原因として主なものは、うっ血性心不全、慢性下肢静脈不全、肺高血圧症 [睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS)を含む]、蛋白尿を伴った腎炎、薬剤性である。片側性浮腫の主な原因は、急性では深部静脈血栓症(DVT)、慢性では下肢静脈不全が多いとされる。
 
  1. 両側性下腿浮腫の原因として多いのは、うっ血性心不全、慢性下肢静脈不全、肺高血圧症、蛋白尿を伴った腎炎、薬剤性であった。片側性下腿浮腫の原因としては、急性はDVT、慢性は下肢静脈不全が多かった。したがって、分布、経時的変化をきちんと聞いたうえで診断を考えることが推奨される(推奨度1、O)
  1. 米国の観察研究において、両側下腿浮腫の原因として、うっ血性心不全、慢性下肢静脈不全、肺高血圧症、1~3 g/日の蛋白尿を伴った腎炎、薬剤性が多くみられた。うっ血性心不全は意外にも過小評価され見逃されていた。心疾患や肺高血圧症に伴う浮腫のほとんどの患者は45歳以上であった。蛋白尿を原因とする両側性浮腫のうち、ネフローゼ症候群の定義を満たすものは少なかった。薬剤性浮腫はNSAIDs、カルシウム拮抗薬を原因とするものが多かった[1][2]
  1. 片側性浮腫の原因は、急性の場合はDVTによるもの、慢性では下肢静脈不全が多くみられた[2]
 
鑑別疾患表:
圧痕性浮腫
静脈圧の上昇:
  1. 局所性静脈疾患
  1. 慢性静脈不全(静脈弁不全、不全穿通枝による)(片側性浮腫、両側性浮腫)
  1. ほかの静脈不全(腫瘍や腫瘤、解剖学的な原因よる物理的圧迫)(主に片側性浮腫)
  1. 上大静脈症候群(腫瘍などによる上大静脈の閉塞)
  1.  May-Thurner 症候群 (右総腸骨動脈による左腸骨静脈の圧迫)
  1. その他の局所における静脈圧迫および閉塞
  1.  深部静脈血栓症 (片側性浮腫)
  1.  バッド・キアリ症候群 (両側性浮腫)
  1. 全身性の静脈圧上昇(両側性浮腫)
  1. うっ血性心不全( 心臓弁膜症 、 虚血性心疾患 、 心筋症 、不整脈
  1. 肺性心
  1.  収縮性心膜炎 
  1. 心タンポナーデ
  1.  急性糸球体腎炎 
  1.  急性腎不全 
  1.  慢性腎不全 
  1. ネフローゼ症候群
  1. 肝硬変
  1.  特発性浮腫 (月経がある女性で、心疾患・肝疾患・腎炎が除外されていること)
  1.  子癇 
  1. 妊娠
 
 低アルブミン血症 (両側性浮腫)
  1. 栄養障害
  1. 食事性
  1.  吸収不良症候群 
  1. 広範な熱傷からの蛋白漏出
  1. 肝硬変
  1. ネフローゼ症候群
 
血管透過性の亢進:
  1. 炎症性(片側性浮腫)
  1. 熱傷
  1. 蜂巣炎
  1.  外傷 
  1. アレルギーおよびアナフィラキシー(両側性浮腫)
  1.  Stevens-Johnson 症候群 
  1.  アレルギー性血管性浮腫 
  1.  薬剤性浮腫 
  1. カルシウム拮抗薬(主にジヒドロピリジン系薬)
  1. アンジオテンシン変換酵素阻害薬
  1. NSAIDs
  1. 抗精神病薬
  1. インスリン感受性改善薬(ピオグリタゾン塩酸塩 など)
  1. その他
  1. 複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)(片側性浮腫)
  1.  POEMS 症候群 (両側性浮腫)
  1. 血管性浮腫(アレルギー性を除く)(両側性浮腫)
  1. 遺伝性血管性浮腫
  1.  後天性血管性浮腫 
  1.  好酸球増多性血管性浮腫 
  1.  RS3PE症候群 (remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema)(両側性浮腫)
  1.  パルボウイルス B19感染症 (両側性浮腫)
非圧痕性浮腫
  1.  粘液水腫 (両側性浮腫)
  1.  リンパ管閉塞 (片側性浮腫がほとんど)
  1. リンパ節郭清後
  1. リンパ節への放射線治療後
  1. フィラリア感染後遺症
問診・診察のポイント  
  1. 浮腫の診察のポイントは、やはり病歴聴取と身体診察である。循環器系および呼吸器系の症状を伴っているときには、急性心不全、腎不全、アナフィラキシー、肝硬変に合併した浮腫の可能性が高いため、それらをまず考えての診察・治療を並行して行う。

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仲里信彦 : 特に申告事項無し[2024年]
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