梅毒(皮膚科) :トップ    
監修: 戸倉 新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科
松尾光馬 東京慈恵会医科大学 皮膚科学講座

概要

疾患のポイント:
  1. 梅毒とは、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum subsp. pallidum、T.p.)によって起こされる慢性の全身感染症であり、病期や宿主の状態により幅広い臓器に多彩な症状を引き起こす。
  1. ほとんどは性交など濃厚な接触により感染をする。
  1. 皮疹や臓器症状などを呈する顕症梅毒と、臨床症状は認められないが梅毒血清反応が陽性な無症候梅毒に分けられる。顕症梅毒は感染からの期間、特徴的な臨床症状により第1期から第4期までに分類される。
  1. 第1期梅毒:平均3週間の潜伏期の後、軟骨様硬で紅色局面を呈する初期硬結、その後潰瘍を呈する硬性下疳となる(<図表><図表>)。このような皮疹が外陰部にみられた場合は、同時期、もしくは引き続き疼痛のないリンパ節腫脹である無痛性横痃が鼠径部に生じ、第1期梅毒と呼ばれる。
  1.  第2期梅毒:T.p.が血行性に全身に散布される第2期梅毒は、丘疹性梅毒疹(<図表>)、乾癬性梅毒の発症頻度が高い <図表>。ほかに、梅毒性バラ疹(<図表>)、扁平コンジローマ(<図表>)、梅毒性アンギーナ、梅毒性脱毛、梅毒性白斑、膿疱性梅毒、爪梅毒(<図表>)、環状を呈する梅毒疹(<図表>)など多彩な臨床症状を呈する。
  1. 第3期梅毒、第4期梅毒:感染後3 - 10年の状態で、晩期梅毒と呼ばれ、近年報告数は少ない。晩期梅毒の症状には、ゴム腫(第3期)、心血管梅毒、神経梅毒(第4期)が挙げられる。
  1. 感染症新法では五類感染症に分類され、診断から7日以内に最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に報告しなくてはならない全数把握の疾患である。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

梅毒感染スクリーニングのための検査例
  1. 陽性であれば梅毒感染を疑いT.p.を抗原とする特異的な検査(TPHAなど)を行う。
  1. STSのみ陽性の場合は梅毒感染初期または生物学的偽陽性である。
○ 以下の検査のいずれかを行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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梅毒診断アルゴリズム
梅毒治療アルゴリズム
梅毒報告数の年次推移(男女総計:2008~2016年)
冠状溝部に生じた硬性下疳
陰茎部硬性下疳
HIV感染症患者に生じた丘疹性梅毒疹
陰部の扁平コンジローマと乾癬性梅毒の合併例
多彩な皮疹を呈した2期梅毒
環状を呈した梅毒2期疹
播種状紅斑丘疹型薬疹
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28

改訂のポイント:
  1. 性感染症 診断・治療ガイドライン2016に基づき改定を行った。