転移性脳腫瘍 :トップ    
監修: 甲村英二 神戸大学大学院医学研究科外科系講座脳神経外科学分野
嘉山孝正1) 佐藤慎哉2) 1)山形大学医学部脳神経外科 2)山形大学医学部総合医療教育センター

概要

疾患のポイント:
  1. 転移性脳腫瘍とは、からだのほかの部位の癌が脳に転移したものである。
  1. 推計では年間4~11万人の癌患者に脳転移が存在すると考えられている。
  1. 転移性脳腫瘍の原発腫瘍は、肺癌(52%)、乳癌(9.3%)、直腸癌(5.4%)、腎癌(5.3%)、胃癌(4.8%)が多い。
  1. 診断時の症状は、局所症状(59%)、頭蓋内圧亢進症状(頭痛など)(18%)、意識障害(8.5%)、無症状(4.5%)であった。
  1. 原発巣の診断から、転移性脳腫瘍の診断までの期間は、1年以内が56.6%と最も多いが、一方で5年以上経過して転移性脳腫瘍がみつかる例も7.4%存在するので、期間だけでは否定できない。
 
診断: >詳細情報 
  1. 転移性脳腫瘍は、頭部CTやMRI(<図表><図表><図表>)で診断されることが多い。その場合、必ず造影検査を行うべきである。
  1. 癌性髄膜炎の診断は、CTやMRIでも困難な場合があるので、明らかな頭蓋内圧亢進症状を認めるときには、画像所見が明らかでなくとも専門の医療機関に相談すべきである。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 転移性脳腫瘍患者の転帰を調べると、脳転移による中枢神経死の割合は約1/3であることから、予後予測に関しては原発巣、他臓器転移の評価が重要である。
 
治療:アルゴリズム
  1. 転移性脳腫瘍の治療には、腫瘍摘出術、放射線治療(全脳照射、定位放射線照射)、化学療法、Best supportive Careなどがある。
  1. 治療法は、転移巣の個数、大きさ、存在部位、組織型、全身状態などにより選択される。
  1. 転移性脳腫瘍の治療ガイドラインはないが、国際的には、例えば米国のNCCN(National Comprehensive Cancer Network)のガイドライン …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. 転移性脳腫瘍の治療には、腫瘍摘出術、放射線治療(全脳照射、定位放射線照射)、化学療法、Best supportive Careなどがある。
  1. 治療法は、転移巣の個数、大きさ、存在部位、組織型、全身状態などにより選択される。
  1. 仔細に読影すると病変の広がりが血管支配領域と異なるなどの鑑別点があるが、単純CT(<図表>)だけで脳梗塞と誤診されるケースもあるので、必ず造影検査(<図表>)を行うべきである。
○ 造影剤に対するアレルギー反応の既往歴のない場合は、単純・造影両方の検査を行う。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

初回治療
再発時治療
造影CT
造影MRI(単発例)
造影MRI(多発例)
1~3個の少数転移に対する治療方針(1)(NCCN Guidelines ver1 2015)
1~3個の少数転移に対する治療方針(2)(NCCN Guidelines ver1 2015)
1~3個の少数転移に対する治療方針(3)(NCCN Guidelines ver1 2015)
転移性脳腫瘍症例の単純頭部CT
転移性脳腫瘍症例の造影頭部CT
著者校正/監修レビュー済
2016/09/02


  • 神経 の他のコンテンツを見る
  • 腫瘍 の他のコンテンツを見る
詳細ナビ