菌血症・敗血症 :トップ    
監修: 山本舜悟 京都大学医学部附属病院 臨床研究教育・研修部
杤谷健太郎 京都大学大学院医療疫学分野

概要

疾患のポイント:
  1. 菌血症とは、細菌が血液中に侵入した状態である。また菌血症等の感染症が認められ(または強く疑われ)、全身性炎症反応症候群(Systemic Inflammatory Response Syndrome、SIRS)を来した状態を敗血症(Sepsis)、また、Sepsisにショック(循環が破綻し組織の酸素代謝障害を来した病態)を認める状態は敗血症性ショック(septic shock)とこれまで呼ばれていた。
  1. しかし、2016年に新たに敗血症の定義が変更となった。新定義では臓器障害を伴う病態のみを敗血症とし、旧定義の重症敗血症という用語は使われなくなった。敗血症とは「感染に対する宿主生体反応の調節不全で、生命を脅かす臓器障害」を来した状態と定義された。そして臓器障害は「感染症が疑われ、SOFA(Sepsis-related Organ Failure Assessment)スコアが2点以上増加したもの」と定義された。ICU外でのベッドサイドで使う簡便な指標として、qSOFA(quick SOFA)スコアが提唱された。また、敗血症性ショックとは、「死亡率を増加させる可能性のある重篤な循環、細胞、代謝の異常を有する敗血症のサブセット」として定義され、診断基準は「十分な輸液負荷にもかかわらず、平均動脈圧65mmHg以上を維持するために血管作動薬を必要とし、かつ血清乳酸値が2mmol/lを超えるもの」とされた。 エビデンス 
  1. SOFA score:<図表>
  1. これらの病態を正しく治療するには、血液培養を正しく採取することが重要である。なお、敗血症性ショックの治療については、 ショック や 脱水・輸液の方法 の項目を参考にしてほしい。
  1. 血液培養採取の適応の目安は、以下のような患者である。
  1. 敗血症を疑わせる患者
  1. 敗血症を疑わせる患者とは、感染症が疑われ、ICUではSOFAスコアが2点以上増加したもの、あるいはICU外ではqSOFAスコアが2点…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

菌血症とコンタミネーションの評価方法
  1. 通常血液培養は2セット行う。
  1. アルゴリズムに沿ってコンタミネーションかどうかを評価し、加療の必要性を評価する。
  1. コンタミネーションの判断ツリー:アルゴリズム
○ 菌血症を疑った際は血液培養は通常2セット採取する。コンタミネーションと考える場合は、加療を行わない。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

コンタミネーションの判断ツリー
血液から分離された菌における汚染菌の頻度
SOFA score
血液培養予測ルール
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28


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