今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 久保健児 日本赤十字社和歌山医療センター 感染症内科部・救急科部

監修: 山本舜悟 大阪大学大学院医学系研究科 変革的感染制御システム開発学

著者校正/監修レビュー済:2022/10/12
参考ガイドライン:
  1. 米国感染症学会:Clinical practice guidelines for the diagnosis and management of intravascular catheter-related infection: 2009 update by the Infectious Diseases Society of America.
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、血管内カテーテル先端培養、時間差(DTP)、血管内カテーテル抜去の記述について見直し、血管内カテーテル再留置に関する記述を追加した。実際の診療の流れを考慮し、全体の構成を見直すとともに、表を追加した。

概要・推奨   

  1. CRBSIを疑っていない状況でのルーチンの血管内カテーテル先端培養は、行わないよう推奨される(推奨度3 O)
  1. 中心静脈カテーテル留置患者において、刺入部の所見が陰性であることを根拠に、CRBSIを否定しないよう推奨される(推奨度4 O)
  1. 敗血症・敗血症性ショックを伴わない患者で、CRBSIの事前確率が高くない場合は、血管内カテーテルをただちに抜去せずに血液培養の結果を待つことが推奨される(推奨度2 R)
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病態・疫学・診察 

疾患情報  
  1. カテーテル関連血流感染(catheter-related blood stream infection:CRBSI)とは、血管内カテーテルに関連して発生した血流感染を指す。血流感染とは、菌血症または真菌血症のことである。
  1. 代表的な原因微生物は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(coagulase negative Staphylococcus:CNS)、黄色ブドウ球菌(S. aureus:MRSA )、カンジダ(Candida)、腸球菌(Enterococcus)、グラム陰性桿菌(大腸菌[E.coli]、エンテロバクター[Enterobacter]、クレブシエラ[Klebsiella] などの腸内細菌目、および緑膿菌[P. aeruginosa]など )である。
 
血流感染症とその合併症:
  1. CRBSIは、血管内カテーテルに関連して発生した血流感染(菌血症または真菌血症)であり、以下に示すような合併症を呈し得る。
 
CRBSIに関連した合併症(種類と特徴)

参考文献:
  1. Pearson ML. Guideline for prevention of intravascular device-related infections. Hospital Infection Control Practices Advisory Committee. Infect Control Hosp Epidemiol 1996; 17:438-73.
  1. Mermel LA, Allon M, Bouza E, et al. Clinical practice guidelines for the diagnosis and management of intravascular catheter-related infection: 2009 update by the Infectious Diseases Society of America. Clin Infect Dis 2009; 49:1.

出典

著者提供
 
診断基準  
  1. 血管内カテーテルに関連した感染症は、血流感染以外にも種類があり、2009年のIDSAガイドラインの診断基準が参考になる。その中でCRBSIは、「①末梢血からの血液培養結果が1セット以上陽性で、②感染の臨床症状(発熱、悪寒、低血圧など)があり、③血管内にカテーテル等のデバイスが留置中で、④その血管内デバイス以外に原因となる感染巣が明らかではない、菌血症または真菌血症。」と定義されている。
 
 

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
久保健児 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:山本舜悟 : 企業などが提供する寄付講座(日本財団)[2024年]

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カテーテル関連血流感染(CRBSI)

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