腸閉塞とイレウス

著者: 古畑智久 聖マリアンナ医科大学東横病院 消化器病センター 消化器・一般外科

監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院

著者校正/監修レビュー済:2018/12/06

概要・推奨  

疾患のポイント:
  1. 腸管通過障害の原因が機械的な場合を腸閉塞、機能的な場合をイレウスと定義される[1]
  1. 腸閉塞には、血流障害を伴わない単純性(閉塞性)腸閉塞と血流障害を伴う複雑性(絞扼性)腸閉塞がある。イレウスは、麻痺性イレウスと痙攣性イレウスがある。
  1. 腸閉塞、イレウスの病態による分類:<図表>
  1. 複雑性腸閉塞は、重症度が高く、緊急性の高い病態である。診断のアルゴリズムに従って、腸管通過障害の原因と病態を早期に診断することが重要である。
  1. 診断のアルゴリズム:アルゴリズム
 
診断: >詳細情報 
  1. 腸管通過障害を想起した場合、まず行うべき検査は血液・生化学検査、腹部単純X線検査である。 腹部単純X線写真にて、腸管の拡張とニボーの出現が腸閉塞の典型的な所見である。
  1. 腸閉塞の腹部単純X線写真:<図表>
  1. 腸閉塞の診断後、腸閉塞の原因となる閉塞機転の検索や血流障害を伴う複雑性腸閉塞の鑑別のために、できるだけ早期に腹部造影CTを行う( エビデンス )。生化学検査では、複雑性腸閉塞では、白血球、CRP、LDH、CPKの上昇を認めることがある。 また、bacterial translocationや敗血症の評価のために、血液細菌培養、血漿プロカルシトニン検査を行う。
 
治療: >詳細情報 
  1. 初期治療として下記を行う。複雑性腸閉塞を少しでも疑うならば腹部造影CTを行い、腸管虚血を疑う所見がある場合は、開腹手術を行う。 …
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

発症までの経過、症状の程度を把握するための検査例
  1. 初診時だけでなく、経時的にその変化を把握することが重要である。
○ 腸閉塞を疑う場合、下記の問診、腹部診察は必須である。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、「急性腹症診療ガイドライン2015」の定義に合わせ、従来の機能性イレウス(腸管麻痺)のみを「イレウス」とし、従来の機械性イレウスは「腸閉塞」と表記を変更した。


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