熱性けいれん(小児科) :トップ    
監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター
高橋長久 東京大学 生殖・発達・加齢医学専攻 小児医学講座

概要

疾患のポイント:
  1. 熱性けいれんは生後6カ月から6歳ごろに後発する発熱に伴うけいれん性疾患である。
  1. 家族歴がある場合は発症のリスクは高くなる。
  1. 発症率は3.4~11%という報告がある。
  1. その他の小児のけいれん・意識障害については別項( けいれん・意識障害(小児科) )を参照にしてほしい。
 
診断: >詳細情報 
  1. 発熱に伴うけいれんで、髄膜炎、急性脳炎・脳症、てんかん、代謝疾患などの可能性を除外することによって診断する。
  1. 消化器症状が認められた場合で、けいれんが群発している場合には胃腸炎関連けいれんとして対処する。
  1. けいれん頓挫後も意識障害が持続する場合、けいれんの種類が片側であったり、部分的なけいれんであったり、けいれん重積を認めた場合は、頭部CT・脳波、髄液検査などのてんかん・髄膜炎などの評価を行うことが望ましい。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 全身性強直間代けいれんであり、重積に至ることはまれである。
  1. 単純型の熱性けいれんであれば、半数以上の人が1回のみである。また、てんかん発症のリスクは2.0~7.5%程度であり、一般人口における発症率よりは高いが90%以上が発症しない。
 
治療: >詳細情報 
  1. けいれんが持続している場合には下記のけいれん重積状態の治療手順に従ってけいれん頓挫を試みる。
  1. けいれん重積状態の治療手順:アルゴリズム
  1. 胃腸炎関連けいれんと考えられた場合にはテグレトール単回投与(5mg/kg)を実施する。
 
予防投与:
  1. 1回ないしは2回の熱性けいれんでは経過観察のみでよい。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価例
  1. 熱性けいれんとは中枢神経感染症、代謝異常その他明らかな原因疾患が除外できて診断できる。
  1. 発熱に伴うけいれんであり、急性脳炎・脳症、髄膜炎の可能性を考慮しながら必要に応じて検査を実施していく。
  1. 初発の熱性けいれんでは代謝異常のスクリーニング検査も可能であれば実施する。
  1. 髄膜刺激徴候、意識状態の確認は経時的に実施していく。
  1. 特に、けいれん頓挫後も意識障害が持続する場合、けいれんの種類が片側であったり、部分的なけいれんであったり、けいれん重積を認めた場合は、頭部CT・脳波、髄液検査などのてんかん・髄膜炎などの評価を行うことが望ましい。
○ 初発時の熱性けいれん患児と熱性けいれんが重積ないしは意識障害が遷延した症例では、1)~8)を評価する。また、髄膜炎・脳炎を疑う場合は9)10)13)を、尿路感染症を疑う患者では10)を追加する。意識障害が持続する場合、けいれんの種類が片側であったり、部分的なけいれんであったり、けいれん重積を認めた場合は、11) ~13)の追加を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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けいれん重積状態の治療手順
著者校正/監修レビュー済
2017/03/31