精巣捻転(小児科) :トップ    
監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター
小椋雅夫 国立成育医療研究センター 腎臓・リウマチ・膠原病科

概要

疾患のポイント:
  1. 精巣捻転とは、精巣が精索を軸としてねじれて血管が締め付けられるため、精巣が壊死してしまう疾患であり、速やかな診断が欠かせない状態である。
  1. 思春期に多く、夜間・早朝に急激な疼痛で発症することが多い。
 
診断: >詳細情報 
  1. 思春期の子どもは、羞恥心から正直に症状を訴えないことがある。急激な下腹部痛の訴えがあるときは、陰嚢の診察が必須である。
  1. 超音波検査で精巣の血流の左右差をみる。患側の血流低下をみたら積極的に疑う。
  1. 急性陰嚢症の鑑別:アルゴリズム
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 発症からの時間経過が予後を決定する。精巣捻転発症後8時間以上経過すると精巣機能の低下が避けられないとする報告もあり、術後は精巣機能の追跡を考慮する。健側の精巣観察では、精巣捻転発症12時間以内に処置をされた症例では萎縮が少なく、24時間以上経過した症例では萎縮が認められたと報告されている。
 
治療: >詳細情報 
  1. 精巣温存のための時間は限られており、診断に苦慮する場合は、躊躇せず試験切開手術を選択する。
  1. 用手整復は、整復に激しい疼痛を伴い成功率は低く、成功したとしても捻転再発防止の観点から精巣固定術が必要であり推奨されない。
  1. 用手整復を試みなくてはならない場合は、足からみて精巣を外側へ回転する(内側への捻転例が多い)。
 
専門医への紹介: >詳細情報 
  1. 発症から捻転を解除するまでの時間で予後が決まるため、疑った場合、可及的速やかに泌尿器科専門医に相談する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価例
  1. 精巣の腫大、内部実質エコー輝度、血流の左右差・有無、陰嚢水腫や陰嚢壁腫大の有無、などを確認する。
  1. 7.5MHz以上の高周波リニア型プローベで浅い組織の描出に適した条件でエコーを行う。もともと精巣の血流は微細で検出しにくいため、カラードプラでは最も遅い流速が検出できるよう条件を調節する(2cm/s前後)。左右の比較が重要である。
○ 精巣捻転を疑う場合は1)を施行する。精巣捻転の可能性が否定できない場合は、速やかに専門医(泌尿器科)へ相談する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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急性陰嚢症の鑑別
精索軸捻転により壊死した精巣
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05