気管支喘息(小児科)

著者: 安戸裕貴 山口大学大学院医学系研究科医学専攻小児科学講座

監修: 渡辺博 帝京大学医学部附属溝口病院

著者校正/監修レビュー済:2019/12/19
参考ガイドライン:
日本小児アレルギー学会:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン 2017、協和企画、2017

概要・推奨  

  1. 吸入ステロイド薬を使用すると、臨床症状、呼吸機能、気道過敏性が改善し、喘息死が減少する。
  1. 吸入ステロイド薬の中断により、再び気道過敏性は亢進し、症状が再燃するとされている。吸入ステロイド薬が、喘息の自然経過を変化させ、小児喘息の寛解率を上昇させるというエビデンスはまだない。
  1. 吸入ステロイド薬の投与量と効果には用量依存性があるが、投与量が多くなると増量効果が乏しくなり、副作用が増える。高用量に増量する代わりに、テオフィリン徐放製剤、長時間作用性吸入β2刺激薬(LABA)、ロイコトリエン受容体拮抗薬を併用することは有用である。
  1. 思春期前に吸入ステロイド薬を使用して、身長の伸びが低下した場合、成人での最終的な身長が低くなる可能性を示している。私見では、まだこれを結論とするには早いと思われるが、不必要なステロイドの長期使用は慎むべきであることは間違いないと考える。
  1. テオフィリン使用中のけいれんは5歳以下に多く、中枢神経疾患の既往のある症例には、低濃度でもけいれんが起こることがある。テオフィリンは適応を十分検討し使用するべき薬剤である。低年齢、神経疾患の既往歴のある患者、発熱例などでは、慎重に使用する。
  1. 吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤は気管支喘息治療に有用であるが、その安全性に関しては、まだ検討の余地がある。
  1. 最近従来の薬物療法ではコントロールが困難な症例に対し、分子標的治療が行われるようになった。
  1. 吸入ステロイド薬は高用量を一定期間以上使用した場合、使用中の成長障害や最終身長の低下を来すことが3つの論文で新たに示されている。
 
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、図について加筆修正を行った。


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