風疹 :トップ    
監修: 山本舜悟 京都大学医学部附属病院 臨床研究教育・研修部
上山伸也 倉敷中央病院 感染症科/感染制御室

概要

疾患のポイント:
  1. 風疹とは、トガウイルスに属する風疹ウイルスによって起こる感染症である。
  1. まれに関節炎(児の約20%、30歳以上の成人の75%程度)、急性脳炎(0.02%)や血小板減少性紫斑病(0.03%)を合併することがある。
  1. 妊婦に感染すると先天性風疹症候群を来す。
  1. 風疹は、感染症法の5類感染症に分類され、診断した医師は、7日以内に(ただし、できるだけ早く)最寄の保健所に届け出る必要がある。また、学校保健安全法で第二種感染症に指定されており、「発疹が消失するまで」を出席停止の期間の基準としている。
 
診断: >詳細情報 
  1. 曝露後、潜伏期間は通常16~18日間である。
  1. 風疹を疑う重要な所見は皮疹とリンパ節腫脹である。
  1. 皮疹は、典型的には顔面から始まり、24時間以内に体幹、四肢までひろがる。平均3日で皮疹は消退する。<図表>
  1. リンパ節腫脹は必発である。
  1. 確定診断には風疹IgM抗体上昇(皮疹が出現して1~2週間後頃から上昇し、3週間後には消失する)か、発疹出現期と発疹出現2週間後のペア血清にて、風疹中和抗体の4倍以上の上昇を確認する(HI法もしくはELISA法)。
  1. 皮疹出現後1~6日後の関節痛は、関節炎の合併を、皮疹出現後2~4日以内の頭痛、傾眠、意識障害は、脳炎の合併を疑う。
  1. 脳炎と診断には、髄液検査にてリンパ球優位の細胞数の上昇(通常細胞数は300未満)、正常かもしくは軽度の蛋白の上昇、髄液中の風疹IgM抗体陽性が役立つ。 >詳細情報 
  1. 皮疹出現後4日くらいで、点状出血や紫斑を認めれば、血小板減少を疑う。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 風疹の重症度は意識障害の有無や血圧、呼吸数、SpO2などのバイタルサインで臨床的に判断する。
  1. 脳炎、関節炎や血小板減少性紫斑病の合併を評価する。
  1. 妊婦に感染すると先天性風疹症候群を来す。

治療: >詳細情報 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

風疹を確定するための検査例
  1. 確定診断には風疹IgM抗体上昇の証明か、ペア血清にて(発疹出現期と発疹出現2週間後)、風疹中和抗体の4倍以上の上昇を確認する(HI法もしくはELISA法)。
  1. 風疹IgM抗体は皮疹が出現して1~2週間後頃から上昇し始め、3週間後には消失するため、採血のタイミングは重要である。
○ 風疹を疑った場合全例で下記検査を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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典型的な風疹の皮疹
著者校正/監修レビュー済
2016/05/27