紫斑病性腎炎(小児科) :トップ    
監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター
張田豊 東京大学 生殖・発達・加齢医学専攻 小児医学講座

概要

疾患のポイント:
  1. 血管性紫斑病(アレルギー性紫斑病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、IgA血管炎)は小児に多い全身の毛細・細小血管の過敏性血管炎であり、皮膚・関節・腹部症状(腹痛)の3つを主徴とする。
  1. 紫斑病性腎炎とは、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(Henoch-Schoenlein Purpura、HSP)の1症状としてみられる腎炎である。
  1. 腎炎の合併が20~50%に認められる。75~90%は紫斑出現後1カ月以内(多くは2週間以内)で、3カ月以降に腎炎を発症することはまれである。
  1. 紫斑病性腎炎のうち、7割は顕微鏡的血尿であり、肉眼的血尿が1割である。蛋白尿は約半数に認め、ネフローゼ症候群となるのは5%程度である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 血管性紫斑病の診断がついた患者では、発症後6カ月間は腎症発症の可能性が高い期間なので、尿検査を繰り返し行いスクリーニングをし、血尿・タンパク尿を認めた際に診断となる。 エビデンス 
  1. ほかの腎炎との鑑別には、紫斑が軽度な症例や、3主徴が揃わないこともあるため、関節炎や腹痛のみの症例においても本症を念頭に置き、尿検査を施行する必要がある。
  1. 確定診断は腎生検による。光顕的にはメサンギウム増殖性糸球体腎炎で、蛍光抗体法で、メサンギウム領域へのIgAの有意な沈着が特徴で、高率にC3の沈着を伴う。
  1. 紫斑病の発疹:<図表>
  1. 紫斑病腎炎の臨床像、腎組織所見:<図表>
  1. 鑑別すべき疾患としてIgA腎症があるが、病理学的には区別することは不可能である。IgA腎症と診断された後に紫斑が出現し本症と診断される場合もある。
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 軽症例の大半は無治療で自然に軽快する。血尿のみの症例は無治療で経過観察する。
  1. 臨床的に高度の蛋白尿や急性腎炎症状を伴う例、腎炎かつネフローゼの症例では、長期予後が悪い。
  1. ISKDC(international study of kidney disease i…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

紫斑病診断の初期の検査例
  1. 紫斑病発症時から6カ月以内に腎症が発症するため、紫斑病と診断してから半年は尿所見をフォローする。
  1. 異常がある場合、血液検査(蛋白、アルブミン、腎機能)を施行する。
○ 以下のすべての検査を行う。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

紫斑病の発疹
ISKDCによる紫斑病性腎炎の組織分類
紫斑病の皮膚の病理
紫斑病腎炎の臨床像、腎組織所見
著者校正/監修レビュー済
2016/04/22