くる病(小児科) :トップ    
監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター
北中幸子 東京大学大学院医学系研究科小児医学講座

概要

疾患のポイント:
  1. くる病とは、カルシウムやリンの低下により、骨基質の石灰化不全が起こる病態の総称である。主訴はO脚が最も多く、その他に歩行開始の遅れや歩行異常、低身長、筋力低下、けいれんなどがある。
  1. 成長期にみられるもので、骨変形と成長障害を主徴とする、小児期の代表的骨疾患である。
  1. 骨端線閉鎖後の成人においては、同様の病態は、骨軟化症となる。
  1. 大きく分けて、ビタミンD作用の欠乏により低カルシウム血症を主体とする場合と、主にリン排泄増加により低リン血症を主体とする場合がある。
  1. その他の病態として、慢性腎不全、尿細管異常、肝胆道疾患、腫瘍に伴うもの、抗けいれん薬によるもの、未熟児くる病などがある。
  1. ビタミンD作用の欠乏による疾患は、ビタミンDの欠乏(ビタミンD欠乏症)と、ビタミンDの活性化障害による疾患(ビタミンD依存性くる病I型)と、受容体の変異による疾患(ビタミンD依存性くる病II型)に分かれる。また、ビタミンD欠乏症になりやすい要因としては、母乳栄養、紫外線の不足、食事制限の3つがある。
  1. ビタミンD依存性くる病I型は1α水酸化酵素(CYP27B1)の先天的異常によるもので、ビタミンDの生体内活性化が障害される。
  1. ビタミンD依存性くる病II型は、ビタミンD受容体(VDR)の先天的異常により、活性型ビタミンDに抵抗性を示すものである。
  1. 低リン血症性くる病は、腎近位尿細管でのリン再吸収障害により、リン排泄が亢進し、低リン血症となるものである。
  1. 遺伝性低リン血症性くる病は、X連鎖性が最も多く、まれに常染色体優性、常染色体劣性のものがある。
  1. ビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症、およびビタミンD依存性くる病/骨軟化症は、指定難病であり、中等症以上の場合などでは、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年7月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
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評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時評価例
  1. 骨X線撮影で、くる病に特徴的な、手首や膝の長幹骨骨端部の杯状変形(cupping)、けば立ち(fraying)、骨端部の拡大(flaring)がみられれば、くる病と考える。
  1. 血液検査で、アルカリホスファターゼ値(骨型)が高値で、血中のカルシウムあるいはリンが低値となる。
○ くる病が疑われる場合は、骨X線検査、血液生化学検査で、まずくる病の診断を行う。くる病の場合は、さらに病型診断を行う。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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くる病の診断
くる病の病型
くる病におけるO脚
くる病の骨X線所見
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01