今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 北中幸子 きたなかこども成長クリニック

監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター

著者校正/監修レビュー済:2022/10/12
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った(変更なし)。

概要・推奨   

  1. くる病とは、カルシウムやリンの低下により、骨基質の石灰化不全が起こる病態の総称である。主訴はO脚が最も多く、その他に歩行開始の遅れや歩行異常、低身長、筋力低下、けいれんなどがある。
  1. 骨変形と成長障害を主徴とする、小児期の代表的骨疾患である。 
  1. 大きく分けて、ビタミンD作用の欠乏により低カルシウム血症を主体とする場合と、主にリン排泄増加により低リン血症を主体とする場合がある。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. くる病とは、カルシウムやリンの低下により、骨基質の石灰化不全が起こる病態の総称である。
  1. 骨変形と成長障害を主徴とする、小児期の代表的骨疾患である。
  1. 骨端線閉鎖後の成人においては、同様の病態は、骨軟化症となる。
  1. 大きく分けて、ビタミンD作用の欠乏により低カルシウム血症を主体とする場合と、主にリン排泄増加により低リン血症を主体とする場合がある。
  1. ビタミンD欠乏のとき、乳児期にはビタミンD欠乏性低カルシウム血症として発症することが多く、幼児期以降にはビタミンD欠乏性くる病として発症することが多い。
  1. ビタミンD欠乏症の要因は、母乳栄養、紫外線の不足、食事制限の3つがある。
  1. ビタミンD依存性くる病I型は1α水酸化酵素(CYP27B1)の先天的異常によるもので、ビタミンDの生体内活性化が障害される。
  1. ビタミンD依存性くる病II型は、ビタミンD受容体(VDR)の先天的異常により、活性型ビタミンDに抵抗性を示すものである。
  1. 低リン血症性くる病は、腎近位尿細管でのリン再吸収障害により、リン排泄が亢進し、低リン血症となるものである。
  1. 遺伝性低リン血症性くる病は、X連鎖性が最も多く、まれに常染色体顕性、常染色体潜性のものがある。
  1. ほかに、慢性腎不全、尿細管異常、肝胆道疾患、腫瘍に伴うもの、抗けいれん薬によるもの、未熟児くる病などがある。
  1. ビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症、およびビタミンD依存性くる病/骨軟化症は、小児慢性特定疾病あるいは指定難病であり、中等症以上の場合などでは、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。(平成27年7月施行)
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
問診・診察のポイント  
  1. 主訴はO脚が最も多く、その他に歩行開始の遅れや歩行異常、低身長、筋力低下、けいれんなどがある。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
北中幸子 : 未申告[2024年]
監修:五十嵐隆 : 特に申告事項無し[2024年]

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くる病(小児科)

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