今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 久保健児 日本赤十字社和歌山医療センター 感染症内科部・救急科部

監修: 山本舜悟 大阪大学大学院医学系研究科 変革的感染制御システム開発学

著者校正/監修レビュー済:2022/10/12
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、2016年と2018年にIASRで報告された10歳代の破傷風例について加筆修正を行った。
  1. また、日本での小児と成人における破傷風の予防接種スケジュールに関する表を追加した。

概要・推奨   

  1. 破傷風は先進国ではまれだが見逃すと致死的な感染症なので、早期診断が重要である。診断確定できる特異的な検査はないので、臨床症状から診断できるようにすべきである(推奨度1)
  1. 破傷風の発症には、Clostridium tetaniの芽胞が接種され発育しやすい条件に合致した外傷が先行することが多いが、約30%は先行する外傷歴が明らかではない。そのため、外傷歴がないからといって破傷風を否定しないよう推奨される(推奨度1)
  1. わが国では、三種混合ワクチン(DTP)の定期予防接種が開始された1968年以前に生まれた年齢層での発症が大半であり、破傷風を疑う例ではワクチン接種歴を聴取するよう推奨される(推奨度1)
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  1. 創部の細菌培養でC. tetaniが同定されなくても、破傷風は否定できない。したがって、C. tetaniの検出を目的としたルーチンの創部培養は推奨されない(推奨度3)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 破傷風とは、Clostridium tetaniの感染と毒素により神経系が侵される感染症である。
  1. 先進国ではまれであるが、一度発症すると致死率が高いため、定期的な予防接種と外傷後の処置が予防手段として重要となる。
  1. 先⾏する外傷が明らかな場合は、潜伏期間(中央値9.5⽇、1〜60⽇)で発症する。ただし、3割で外傷歴は認めない。
  1. 発症後からけいれん出現までの時間(period of onset)は中央値48時間(0〜264⽇)である。
  1. 破傷風の診断を確実に行える検査も除外できる検査も存在しない。
  1. 治療薬であるペニシリン系抗菌薬やメトロニダゾール、抗破傷風ヒト免疫グロブリンの副作用の少なさを考えると、治療の遅れによる重症化を防ぐためには、破傷風に特徴的な症状がある場合、治療の開始を遅らせないことが重要である。
  1. 特に、破傷風予防接種歴がない場合や、最終予防接種から10年以上経過している場合(有効な防御抗体レベルを維持できていない可能性が高い)は、より強く疑う必要がある。近年、小児期の定期接種が不完全な10代での発症例の報告がある。
 
  1. 破傷風は先進国ではまれだが見逃すと致死的な感染症なので、早期診断が重要である。診断確定できる特異的な検査はないので、臨床症状から診断できるようにすべきである。なお、破傷風と診断した場合には、感染症法に則って保健所へ届出る義務がある(推奨度1O
  1. 先進国でまれなゆえに早期診断が困難で、初期には感冒や顎関節脱臼、脳卒中などと誤診されやすい。( >詳細情報 :鑑別疾患表 参照)
  1. 破傷風は、わが国では1950年には届け出患者数1,915人、死亡者数1,558人であり、致命率が高かった(81%)[1]
  1. 2000年代以降は、届出患者数毎年100人前後、死亡者数5~10人と報告されている(2008年:届出124人、死亡7例)[2]
  1. 1994年発表のSchonらの研究にあるように、英国で1991年までの8年間に届けられた116例のうち情報が得られた77例を検討した結果、発症日に入院:35%、発症から1~4日後に入院:45%、発症から5~7日後に入院:6%であった[3]
  1. 破傷風に特異的な検査はないので、臨床症状からの診断が重要である。
  1. CT、MRIは診断に有用ではない。
  1. 感染症法では5類に分類されており、全数報告対象疾患である。
  1. 届出基準によれば、臨床的特徴として、「外傷部位などで増殖した破傷風菌が産生する毒素により、運動神経終板、脊髄前角細胞、脳幹の抑制性の神経回路が遮断され、感染巣近傍の筋肉のこわばり、顎から頚部のこわばり、開口障害(trismus)、四肢の強直性けいれん、呼吸困難(けいれん性)、刺激に対する興奮性の亢進、反弓緊張(opisthotonus)など」の症状が挙げられている。
  1. これらの「筋硬直(rigidity;こわばり・開口障害)」、「有痛性の筋けいれん(spasm;脳神経細胞障害に起因するけいれんではない)」に「自律神経障害(autonomic instability)」を加えて3徴候ということがある。
  1. これらの特徴から臨床的に破傷風と診断(死亡例では検案)した医師は、法第12条第1項の規定による届出を7日以内に行わなければならない[4]
  1. 破傷風には、全身性(generalized)、局所性(localized)、脳神経性(cephalic)、新生児性(neonatal)の4つのタイプがある。
  1. cephalic tetanusでは、顔面神経麻痺など脱落症状が初期症状になることが多く注意を要する。
 
痙笑(risus sardonicus;口輪筋の硬直)

顔面筋のけいれんにより、ひきつった笑顔で眉が上がったままの特徴的表情が生じる。これを、RS(Risus sardonicus)という。

出典

M Lindley-Jones, D Lewis, J L Southgate
Recurrent tetanus.
Lancet. 2004 Jun 19;363(9426):2048. doi: 10.1016/S0140-6736(04)16455-6.
Abstract/Text
PMID 15207956
 
わが国の破傷風届出患者数と死亡数の推移

1968年のDPT定期接種開始後、減少し、1980年代後半以降は横ばいである。

出典

国立感染症研究所感染症情報センター:IASR 病原微生物検出情報Vol.23 No.1 January 2002
 
  1. 創部の細菌培養でC. tetaniが同定されなくても、破傷風は否定できない。したがって、C. tetaniの検出を目的としたルーチンの創部培養は推奨されない(推奨度3)
  1. 嫌気培養を行っても陰性であることが多く、一方で陽性であっても破傷風毒素(tetanospasmin)産生株かどうかは不明なため、診断には結びつかない[5]
 
破傷風菌C. tetani

太鼓のばち状をした芽胞を有するグラム陽性桿菌

出典

入江由美ほか:瘡蓋より菌の分離された破傷風の一例.国立感染症研究所感染症情報センター:IASR 病原微生物検出情報 Vol.30 p.216-217: 2009年8月号
病歴・診察のポイント  
  1. 約3割の症例で外傷歴がはっきりしない。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
久保健児 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:山本舜悟 : 特に申告事項無し[2025年]

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