水痘 :トップ    
監修: 山本舜悟 京都大学医学部附属病院 臨床研究教育・研修部
竹下望 国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター/感染症内科

概要

疾患のポイント:
  1. 水痘とは、ヘルペスウイルスに属するVaricella zoster virus (水痘・帯状疱疹ウイルス)の初発感染により起こる感染症であり、空気感染により感染が伝播する。特徴的な発疹を伴い、感染力も強い。
  1. 通常潜伏期間は14~16日であるが、8~21日となることもある。
  1. 水痘は、感染症法の5類感染症に分類され、入院症例は全数報告が義務づけられている。外来症例においては、小児科定点医療機関では、週単位(月~日)で最寄りの保健所に届け出る必要がある。また、学校保健安全法で第二種感染症に指定されており、「すべての発疹が痂皮化するまで」を出席停止の期間の基準としている。2014年10月1日より、水痘ワクチンが小児の定期接種ワクチンとなっている。
 
診断: >詳細情報 
  1. 発熱に加えて、典型的な皮膚所見を認めることができれば、診断となる。
  1. ただし、身体所見や病歴などで典型的ではない経過や免疫不全の基礎疾患がある場合はIgM、IgG(ペア血清、4週間あけて2回)にて診断する。
  1. 呼吸器症状や聴診で異常がある場合、胸部X線を行い、肺炎の合併を検索する。
 
治療: >詳細情報 
  1. 対症療法が基本であり、自然経過で改善する疾患である。特に、12歳未満の健康な小児であれば、抗ウイルス薬の必要性は低い(ただし、アスピリンの使用は小児では避ける)。
  1. 12歳以上の小児および成人、年齢にかかわらず免疫不全のある患者では重症化のリスクが高いため、アシクロビル(ゾビラックス)などの抗ウイルス薬が必要である。また、肺炎や脳炎などの合併を認める場合も抗ウイルス薬を用いることがある(7日間)。
  1. 二次性の皮膚感染にも注意が必要である。
  1. 水痘ワクチンによる予防が一般的であり、水痘に曝露した後も、水痘ワクチンやグロブリン、アシクロビル(ゾビラックス)による予防方法がある。
  1. 家庭に、免疫不全者、妊婦がいるなど、周囲に易感染者がいる場合、患者…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

水痘を評価するための検査例
  1. 典型例では臨床的に診断可能であり、特別な検査を必要としない。
  1. 免疫不全患者で非典型的な皮疹がある場合、皮疹がなくとも脳炎などの播種性病変を疑う場合には検査での確定診断が必要である。
  1. 問診では、曝露歴、ワクチン接種歴、基礎疾患、居住状況、渡航歴を忘れずに聴取する(ただし、既往がある場合でも、確実ではないこともあるので、既往歴だけでは完全に除外しない。) エビデンス 
  1. ただし、身体所見や病歴などで典型的ではない経過や免疫不全の基礎疾患がある場合はIgM、IgG(ペア血清、4週間あけて2回)にて診断する。
○ 入院が必要な場合は、スクリーニングとして以下を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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水痘を疑う際の治療アルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2016/12/28