下腹部腫瘤

著者: 池田智明1) 三重大学 病態解明医学講座生殖病態生理学

著者: 島田京子2) 倉敷成人病センター 産婦人科

監修: 小林裕明 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生殖病態生理学

著者校正/監修レビュー済:2019/02/07

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概要・推奨  

所見のポイント:
  1. 下腹部腫瘤感やそれによる圧迫症状は、産婦人科外来にて比較的頻度が高く見られる主訴である。
  1. 急に下半身が太ったと感じたり、下腹部が出ている気がするなどの場合には、下腹部腫瘤の評価が必要になる。下腹部に触るとしこりや塊にふれることもある。
 
診断へのアプローチ:(アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 産婦人科領域の下腹部腫瘤で重要性の高いものは、卵巣腫瘍と子宮腫瘍である。
  1. 診断には、妊娠の有無の確認、腫瘍マーカー等の評価、画像評価を行うことが重要である。これらの検査で悪性を疑う場合は、造影画像検査でさらに詳細な評価を行う。必要に応じて摘出術により病理検査を行う。
  1. まず、妊娠の可能性がある患者では、妊娠反応を行う。妊娠反応が陽性の場合は、妊娠、異所性妊娠などの評価を経腟・腹部エコー検査、(MRI検査)などにて行う。
  1. 妊娠反応が陰性の場合は、腫瘍マーカー(CA125、CA19-9、CEA、TPA、AFP定量、HCG)、内分泌学的検査(LH、FSH、E2、プロゲステロン、PRLなど)、経腟・腹部エコー検査、MRI検査などにて、卵巣腫瘍、卵巣嚢腫、子宮筋腫、ホルモン産生腫瘍、Müller管形成障害(月経血貯留と貯留部位の腫大)、良性胚細胞腫瘍、などの鑑別を行う。また、産婦人科領域外では、消化管から発生する消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor、GIST)との鑑別が必要となる。
  1. 上記の検査で悪性腫瘍を疑う所見を認める場合は、摘出術を行い、病理検査にて確定診断となる。
  1. 卵巣腫瘍には発生年齢による背景と組織学的特徴があり、診断するうえで参考になる。
  1. 骨盤腔内腫瘤年齢別の産婦人科系鑑別疾患:<図表>

検査・処方例

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2017
に基づき一部修正を行った。

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