下腹部腫瘤 :トップ    
監修: 小西郁生 独立行政法人国立病院機構 京都医療センター
古谷健一 三重大学医学部附属病院 産婦人科

概要

所見のポイント:
  1. 下腹部腫瘤感やそれによる圧迫症状は、産婦人科外来にて比較的頻度が高く見られる主訴である。
  1. 急に下半身が太ったと感じたり、下腹部が出ている気がするなどの場合には、下腹部腫瘤の評価が必要になる。触るとしこりや塊にふれることもある。
 
診断へのアプローチ:(アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 産婦人科領域の下腹部腫瘤で重要性の高いものは、卵巣腫瘍と子宮腫瘍である。
  1. 診断には、妊娠の有無の確認、腫瘍マーカー等の評価、画像評価を行いことが重要である。これらの検査で悪性を疑う場合は、造影画像検査でさらに詳細の評価を行い、必要に応じて摘出術を行い病理検査を行う。
  1. まず、妊娠の可能性がある患者では、妊娠検査を行う。妊娠反応が陽性の場合は、妊娠、異所性妊娠などの評価を経腟・腹部エコー検査、MRI検査などにて行う。
  1. 妊娠反応が陰性の場合は、腫瘍マーカー(CA125、CA19-9、CEA、TPA、AFP定量、HCG、生殖ホルモン検査(LH、FSH、E2、プロゲステロン、PRLなど)、経腟・腹部エコー検査、MRI検査などにて、卵巣腫瘍、卵巣嚢腫、子宮筋腫、ホルモン産生腫瘍、Muller管形成障害(月経血貯留と貯留部位の腫大)、良性胚細胞腫瘍、などの鑑別を行う。また、産婦人科領域外では、消化管から発生する消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor、GIST)との鑑別が必要となる。
  1. 上記の検査で悪性腫瘍を疑う所見を認める場合は、摘出術を行い、病理検査にて確定診断となる。
  1. 卵巣腫瘍には発生年齢による背景と組織学的特徴があり、診断するうえで参考になる。
  1. 骨盤腔内腫瘤年齢別の産婦人科系鑑別疾患:<図表>

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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35歳:卵巣腫瘍:粘液性嚢胞腺腫(LPM)
33歳:巨大卵巣腫瘍:粘液性嚢胞腺腫(LPM)
著者校正済:2018/02/28
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