卵巣嚢胞(妊娠中) :トップ    
監修: 金山尚裕 浜松医科大学 産婦人科
万代昌紀 京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学

概要

疾患のポイント:
  1. 卵巣嚢胞とは、卵巣に生ずる嚢胞状の病変の総称である。妊娠に合併する卵巣嚢胞の約半数がルテイン嚢胞をはじめとする機能性嚢胞(卵胞嚢胞、黄体嚢胞)であり、次いで成熟嚢胞性奇形腫(皮様嚢腫)、漿液性嚢胞腺腫、粘液性嚢胞腺腫、子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)などの良性腫瘍、および悪性腫瘍である。一般的に無症状で経過するが、茎捻転を起こすと激痛を生じる。
  1. 一般に、全妊娠の1~2%に付属器の腫瘤が合併するといわれている。妊婦健診の経腟超音波でみつかることが多い。
 
診断: >詳細情報 
  1. 卵巣嚢胞の有無と良悪性の評価に、主に経腟超音波を使用することが推奨される。妊娠中に頻度の高い黄体化卵胞嚢胞(ルテイン嚢胞)の診断のため、複数回の検査で、内部構造の変化、充実部の出現がないかどうかなど、複合的に変化を見極めることが重要である。 エビデンス 
  1. 治療方針の決定で重要なことは、それが機能性嚢胞か腫瘍か、後者なら良性腫瘍か境界悪性腫瘍か悪性腫瘍かを鑑別することである。機能性嚢胞が疑われる場合、注意深くエコーにて経過観察する。
  1. 妊娠に合併する卵巣嚢胞の約半数がルテイン嚢胞をはじめとする機能性嚢胞である。また、妊娠に合併する卵巣腫瘍の1~3%を悪性および境界悪性腫瘍が占める。
  1. 卵巣腫瘍の臨床病理学的分類:<図表>
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 直径5cm以下の場合は約80%が黄体嚢胞などの機能性嚢胞であり、妊娠16週までに消失することが多い。
  1. 直径5cmを超えると腫瘍性病変の割合が増加し、自然退縮の頻度も低下する。
  1. 腫瘍の内部に充実部を認めたり、壁肥厚や不整を認めた場合は悪性腫瘍を疑う。
 
治療:アルゴリズム >詳細情報

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

通常のフォローアップ例
  1. 直径6cm未満で、悪性病変を疑わない症例では、経腟エコーにてフォローアップを行う。
○ 上記以外の場合では悪性を念頭に、より慎重な対応を考慮する。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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妊娠中に発見された卵巣腫瘤の取り扱い
卵巣腫瘍の臨床病理学的分類
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21


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