頸管無力症 :トップ    
監修: 金山尚裕 浜松医科大学 産婦人科
石本人士 東海大学 専門診療学系産婦人科学領域

概要

疾患のポイント:
  1. 頸管無力症は、外出血や子宮収縮などの切迫流早産徴候を自覚しないにもかかわらず子宮口が開大し胎胞が形成されてくる状態をいい、頸管の構造的・機能的脆弱性が病態の主体と考えられる。<図表>
  1. わが国での頻度は0.05~1%程度と推定され、妊娠20~22週前後に無症候性に発症することが多い。
  1. 本疾患のハイリスク群として、原因が明らかでない妊娠中期流早産既往例、子宮頸部円錐切除術既往例、頸管裂傷既往例などが挙げられる。<図表>
  1. 頸管変化が早期に捉えられるようになり、本症以外の切迫流早産との区別が曖昧になってきた。
  1. 頸管に短縮や開大が認められる場合には、本症か否かの正確な診断にこだわらず、広く流早産予防の観点から対応することが重要である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 診断は妊娠分娩歴を含む詳細な病歴の聴取、内診、腟鏡診および経腟(場合により経腹or経会陰)超音波検査で行う。
  1. 他の流早産の原因がなく、明らかな子宮収縮を伴わずに頸管が開大し妊娠中期(妊娠28週以前)に流早産に至った既往を有する場合は、頸管無力症と診断してもよい。
  1. 流早産既往がなくとも、胎児異常や感染が明らかでないのに頸管長短縮・内子宮口開大傾向がはっきりとしている場合は、頸管無力症を疑う。
  1. 確立した疾患概念や診断基準はなく、頸管無力症を正確に診断することは困難である。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 経腟超音波による頸管の観察では、病態の進行につれて頸管内腔の形がT字型(正常)から→Y→V→Uと変化し、頸管長も次第に短縮する。<図表>
  1. 妊娠24週における頸管長が30mm以下、あるいは26mm以下に短縮した場合、早産(<35週)の相対危険度は75パーセンタイル(40mm)以上の頸管長を示した群に比べ、それぞれ3.79、6.19倍と高くなる。<図表>
 
治療:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

頸管無力症の診断例
  1. 頸管短縮や内子宮口の開大などの変化を経腟超音波検査で捉えることができ、頸管無力症の診断に超音波検査は欠かせない。
  1. 通常、解像度の問題から経腟法で行うが、胎胞脱出例などの進行例では、プローブが胎胞に触れないように経腹法や経会陰法を用いる。
○ 病態の進行度に留意し診断目的で、1)~3)のいずれかを行う。

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(詳細はこちらを参照)

頸管無力症の取り扱い
頸管無力症のリスク要因
頸管無力症における子宮頸管の変化(頸管展退の進行)
経腟超音波による頸管長計測の手順
妊娠24週時の経腟超音波による頸管長と早産(<35週)の関係
細菌性腟症: 腟分泌物スメアのグラム染色に基づくスコアリングシステム(Nugentスコア)
妊娠中期の子宮頸管短縮に対する管理アルゴリズム
経腟超音波で捉えられた頸管無力症の所見
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28


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