妊娠初期ウイルス感染 :トップ    
監修: 金山尚裕 浜松医科大学 産婦人科
下屋浩一郎 川崎医科大学附属病院 女性医療センター

概要

ポイント:
  1. 妊娠初期に母体のウイルス感染が疑われた場合に、母子感染の予防の立場から、母体およびその家族に対して詳細な説明が求められる。代表的な疾患についてポイントを詳述する。
  1. 本項に記載する疾患は以下の通りである。
  1. その他、インフルエンザ、流行性耳下腺炎など、問い合わせが多い疾患は存在するが、現在のところ、胎児奇形の報告はないか、きわめてまれであると対応してよいと考えられている。
 
妊婦のワクチン投与: >詳細情報 
  1. ワクチン接種は有効性がその危険性を上回ると判断された場合に行われる。ワクチンは生ワクチンと、不活化ワクチンに分類されるが、妊婦への生ワクチン接種は原則として禁忌で、不活化ワクチン接種は有益性投与が可能である。ただし、黄熱病ワクチン(生ワクチン)については妊婦への安全性は確立していないが、黄熱病流行地域への旅行が避けられず、感染の危険性がある場合には接種すべきであるとしている。
 
インフルエンザ: >詳細情報 
  1. ワクチン:
  1. 現在わが国で使用されているインフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、理論的に妊婦、胎児に対して問題はなく、妊婦へのインフルエンザワクチン接種は妊婦と児の双方に利益をもたらす。
  1. 抗インフルエンザウイルス薬:
  1. インフルエンザに罹患した大多数は特に治療を行わなくても 1~2 週間で自然治癒するが、妊婦の場合には、気管支炎・肺炎などを併発し、死に至ることもある。
  1. したがって、感染妊婦・授乳婦人への抗インフルエンザウイルス薬(リレンザとタミフルなど)投与は利益が不利益を上回ると考えられている。
 
B型肝炎ウイルス: >詳細情報 
  1. 妊婦でHBs抗原陽性例では、B型肝炎母子感染防止対策実施項目を施行する。
  1. B型肝炎母子感染防止対策実施項目:<図表>
  1. HBe抗原陽性のハイリスク群では、母子感染率が85%と高値で、妊娠中も肝機能異常を呈する可能性があると認識する。
  1. 妊婦が肝炎の場合、食後1時間の安静、食事療法(低脂肪・高蛋白食1.5g/Kg)、…

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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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2017/12/25