多胎妊娠 :トップ    
監修: 金山尚裕 浜松医科大学 産婦人科
村越毅 聖隷浜松病院産婦人科・総合周産期母子医療センター

概要

疾患のポイント:
  1. 双胎妊娠の頻度は1%程度であり、不妊治療により増加する。
 
膜性診断
  1. 双胎の膜性診断は第1三半期(first trimester)に確実に行う。特に妊娠10週前後が膜性診断を行う時期として理想的である。
  1. 1絨毛膜双胎では、第2三半期以降は少なくとも2週間ごとの健診が推奨される。
  1. 双胎妊娠の周産期予後は膜性診断ごとに異なり、1絨毛膜2羊膜(MD)双胎では周産期死亡率4.4~7.5%、神経学的後遺症5.5~16.4%であり、2絨毛膜2羊膜双胎の周産期死亡率1.7~5.0%、神経学的後遺症1.7~2.4%と比較するといずれも高値である。1絨毛膜1羊膜双胎の周産期死亡率は10~20%である。
 
双胎間輸血症候群(TTTS): >詳細情報 
  1. 双胎間輸血症候群とは、双胎児の胎盤の吻合血管により双胎間(供血児、受血児間)に慢性の血流不均衡が起こり引き起こされる病態である。血流不均衡の結果、供血児は循環血液量が減少し、貧血、低血圧、乏尿、羊水過少、胎児発育不全、腎不全を来し、最終的には胎児死亡に至ることがある。また、受血児は、循環血液量が増加し、多血、高血圧、多尿、羊水過多、心不全、胎児水腫などを来し、最終的には胎児死亡に至ることがある。一絨毛膜二羊膜双胎の約5~10%に起こるといわれている。
  1. 超音波検査にて、一児に羊水過多傾向、多児に羊水過少傾向を認めたらTTTS発症を疑い精査する。また、急激な母体体重増加(≧1.4kg/週など)や母体の多飲は、TTTS発症の初発症状の可能性があるため、それらを認めた場合もTTTS発症を疑い精査する。
  1. 羊水過多(最大羊水深度≧8cm)と羊水過少(≦2cm)を同時に認めた場合、TTTSと診断し、QuinteroのStage分類により重症度判定を行う。
  1. 妊娠26週未満のTTTSでは胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術で新生児予後が改善される(生存率80%、神経学的後遺症5%程度)ため、高次施設(特に胎児治療可能施設)との連携が必要である。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

膜性所見の評価(妊娠初期)
  1. 妊娠初期に膜性診断を行う。
  1. 膜性診断は絨毛膜性診断をまず行い、1絨毛膜の場合は羊膜の膜性診断を行う。1絨毛膜1羊膜双胎を疑う場合は、繰り返し慎重に精査を行い、臍帯相互巻絡などの特徴的な所見に注意し妊娠14週頃までに確定診断を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

妊娠初期における双胎膜性診断のステップ(フローチャート)
超音波検査による妊娠初期の膜性診断
妊娠中期における膜性診断
双胎間輸血症候群の病態
著者校正/監修レビュー済
2018/05/23


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