今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 藤井 俊策 エフ.クリニック

監修: 岩瀬明 群馬大学大学院医学系研究科産科婦人科学講座

著者校正/監修レビュー済:2023/11/22
参考ガイドライン:
  1. 日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会:産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2023
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2023」の発行に伴いレビューを行った。
  1. 多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome、PCOS)の病因として、近年は胎生期の子宮内環境が有力視されている旨を追記した(Tata B, et al. Nat Med. 2018 Jun;24(6):834-846、Risal S, et al. Nat Med. 2019 Dec;25(12):1894-1904)。
  1. 生殖年齢女性の罹患率を6~8%から8~18%に更新した(Risal S, et al. Nat Med. 2019 Dec;25(12):1894-1904)。
  1. 発売中止になった薬剤もあり、排卵誘発薬の選択肢を一部変更した。
  1. アンドロステンジオンが受託中止となったため記載を削除した。
  1. レトロゾールがPCOSの排卵誘発に保険適用となったため記載を変更した。
  1. ゴナピュールが販売中止、フォリルモンPはPCOSの病名では保険適用外のため記載を削除した。

概要・推奨   

  1. 挙児希望がない場合は、子宮内膜がんの予防のため定期的な消退出血を与える(推奨度2)
  1. 肥満があれば減量など生活指導を行う(推奨度2)
  1. 挙児希望がある場合の排卵誘発にはまずクロミフェン療法を行う(推奨度2)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome、PCOS)は黄体化ホルモン(LH)分泌亢進、高アンドロゲン、インスリン抵抗性などのホルモン異常により排卵障害(無排卵症)を来す疾患で、月経異常(月経不順)や不妊の主要な原因の1つである。
  1. 家族内発症や人種間の差異があり[1]、疾患遺伝子が検索されているが特定されていない。近年、胎生期の子宮内環境が病因として有力視されている[2][3]
  1. 生殖年齢女性の8〜18%[3]と罹患率が高く[4]増加傾向にあり、女性の生涯にわたってさまざまな疾病を引き起こす[5](PCOSによる主な異常と合併症:<図表>)。受診年齢や背景によって主訴が異なり、治療目標に応じて柔軟に対処する必要がある。
  1. 思春期以降の若年者では、月経異常(月経不順)、不正出血(不正性器出血)、男性化徴候などが主訴となる。
  1. 性成熟期の既婚女性では不妊を主訴とすることが多く、挙児希望例に対しては排卵誘発治療が必要な場合が多い。多発卵胞発育による多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulation syndrome、OHSS)を発症しやすいため、排卵誘発治療は慎重に行わなくてはならない。
  1. 長期間の無排卵によるエストロゲン刺激(unopposed estrogen)状態は子宮体がんのリスクを高める。
  1. 生殖年齢以降は2型糖尿病、メタボリックシンドローム、心血管疾患、脂肪肝(NAFLD)うつ病などのリスク因子であり、運動療法や減量などの生活指導も有用である。
問診・診察のポイント  
  1. 日本産科婦人科学会が2007年に示した診断基準[6]( >詳細情報 )を用いて診断する。診断には、月経異常、超音波検査による卵巣の多嚢胞所見、血清ホルモン検査による高アンドロゲン血症または高LH状態の3項目が必要である。
 
問診:
  1. 無月経、希発月経、無排卵周期症のいずれかがあることを確認する。月経異常を自覚していなくても、定期的に破綻出血がある無排卵周期症の場合もある。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
藤井 俊策 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:岩瀬明 : 講演料(あすか製薬(株),富士製薬工業(株))[2025年]

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多嚢胞性卵巣症候群

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