真珠腫性中耳炎 :トップ    
監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院
小島博己 東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科

概要

疾患のポイント:
  1. 真珠腫は、様々な形態がある。以下、用語の定義を記す。
  1. 真珠腫は、まず、先天性真珠腫と後天性真珠腫に分類される。
  1. 先天性真珠腫:
  1. 先天性真珠腫は、「鼓膜に穿孔や肉芽がなく、後天的に表皮が鼓室側へ侵入する機会がないもので、中耳腔に鼓膜と非連続性の真珠腫上皮のある中耳炎」と定義される。
  1. 後天性真珠腫:
  1. 後天性真珠腫は「上鼓室に表皮の存在する中耳炎」と定義される。後天性真珠腫は上皮の侵入部位から弛緩部型と緊張部型に分けられる。後天性真珠腫の特殊な病変として二次性真珠腫がある。二次性真珠腫は「炎症または外傷による鼓膜欠損部の穿孔縁より上皮がツチ骨柄付近から鼓膜裏面に沿って進展し、真珠腫が形成されると考えられる後天性真珠腫」と定義される。
  1. 癒着性中耳炎:
  1. 癒着性中耳炎は「鼓膜が陥凹し中耳腔の内側壁と癒着した病態」であり、中耳癒着症、鼓膜癒着症などとほぼ同義語として用いられている。癒着部位により全面癒着型と部分癒着型に分類される。

診断: >詳細情報 
  1. 先天性真珠腫は、(特に小児で)難聴や急性中耳炎を契機に受診し、鼓膜裏面に白色塊が透見された場合に想起する。
  1. 後天性真珠腫は、反復する中耳炎の後に起きる持続性の難聴や耳漏を主訴とする患者で想起する。
  1. 癒着性中耳炎は、繰り返す耳漏や難聴を認めるときに想起する。
  1. 鼓膜所見で診断に至ることが多い。
  1. 側頭骨CT、側頭骨MRI、造影MRI所見にて鑑別疾患を評価し診断する。 >詳細情報 
  1. 先天性真珠腫の鼓膜所見:<図表>
  1. 後天性真珠腫の鼓膜所見:<図表>
  1. 二次性真珠腫の鼓膜所見:<図表>

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時検査例
  1. 詳細な鼓膜所見(顕微鏡もしくは内視鏡)にて、一部の先天性真珠腫を除き、特徴的な所見を呈する。
  1. 純音聴力検査を行い、聴力障害の度合いを評価する。
  1. 側頭骨CTを施行し、周辺臓器(耳小骨/半規管/内耳/頭蓋底)の骨破壊の有無を確認する。
  1. 鑑別診断に苦慮する場合や術後の再発の有無に関しては造影MRIが有効なことが多い。
  1. 必ず培養検査、聴力検査、側頭骨CT検査を行う。
○ 他のルーチン検査に加えて、以下の検査を追加する。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

真珠腫性中耳炎、癒着性中耳炎アルゴリズム
先天性真珠腫の鼓膜所見
後天性真珠腫の鼓膜所見
二次性真珠腫の鼓膜所見
癒着性中耳炎の鼓膜所見
先天性真珠腫の側頭骨CT所見
後天性真珠腫の側頭骨CT所見
真珠腫のMRI所見
真珠腫のMRI所見(拡散強調像)
真珠腫進展度分類(日本耳科学会2010年改訂案)
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01


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