滲出性中耳炎・好酸球性中耳炎 :トップ    
監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院
飯野ゆき子 東京北医療センター 耳鼻咽喉科

概要

疾患のポイント:
  1. 幼小児期に高頻度に認められる。また高齢者にもみられることがある。
 
滲出性中耳炎:
  1. ポイント:
  1. 滲出性中耳炎とは、耳痛がなく、中耳に貯留液がたまり、難聴や耳閉感を引き起こす病態と定義される。
  1. 特に小児で急性中耳炎罹患後に中耳貯留液が長期間消退しない場合、上気道罹患後に聞き返しが多い、テレビの音量を上げるなどを保護者が訴える場合に想起する。
  1. 診断:
  1. 鼓膜所見で診断となる。鼓膜所見では、鼓膜を透してさまざまな程度の貯留液の存在が観察される。貯留液が少量の場合は鏡面像(niveau)がみられる。また鼓膜の色も貯留液の性状、鼓室粘膜の病態によりやや赤みを帯びた褐色、山吹色、ときには青色を呈する。気密鏡を用いて鼓膜の可動性をみる。通常、可動性は低下する。
  1. 滲出性中耳炎の鼓膜所見:<図表>
  1. 予後:
  1. 小児における滲出性中耳炎は新鮮例であればその6割が3カ月以内に自然治癒する。
  1. 治療:
  1. 保存療法:
  1. 小児の場合、発症3カ月までは自然治癒をみる頻度も高いため、鼻治療、鼻ネブライザー、粘液溶解薬等(ムコダインDS[50%]30mg/kg 1日3回経口投与)の保存的治療で経過を観察する。
  1. 鼻副鼻腔炎を合併する場合は、鼻ネブライザー、鼻処置に加え14員環マクロライド薬の少量長期投与(マクロライド療法)が有効である。
  1. アトピー素因を有する症例では、ステロイドの鼻噴霧薬や抗アレルギー薬の投与を考慮する。
  1. 手術療法:
  1. 保存療法がまったく効果がみられない場合、両側性で良聴耳が30dB以上の難聴等の場合は、鼓膜換気チューブ留置術を考慮する。(詳細:手術適応・手術の選択: >詳細情報 )
  1. 中等度以上のアデノイド増殖症を伴った慢性期の滲出性中耳炎などでは、アデノイド切除術を考慮する
 
好酸球性中耳炎:
  1. ポイント:
  1. 好酸球性中耳炎は主に気管支喘息に合併する難治性中耳炎である。滲出性中耳炎が初発であることが多く、その後、永久穿孔が生じれば慢性穿孔性中耳炎型、肉芽の増殖が起これば肉芽性中耳炎型となる。
  1. 気管支喘息治療中に耳閉感、難聴を訴える場合には好酸球性中耳炎を想起する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

滲出性中耳炎の保存療法例
  1. 保存療法が基本である。保存療法が無効な症例に対して、難聴の程度、CTでの側頭骨の含気の程度を参考に手術療法を行う。
○ 発症後3カ月までは鼻処置、粘液溶解薬である1)などの保存的療法。その後は合併症など病態を考慮した治療を選択する。副鼻腔炎を認める場合は2)を、アレルギー性鼻炎を認める場合は3)4)を追加する。

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薬剤監修について:
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小児滲出性中耳炎の診察アルゴリズム
好酸球性中耳炎の治療
滲出性中耳炎の鼓膜所見
好酸球性中耳炎(滲出性中耳炎型)
好酸球性中耳炎(穿孔性中耳炎型)
好酸球性中耳炎(肉芽型)
著者校正/監修レビュー済
2016/12/28


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