急性副鼻腔炎 :トップ    
監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院
鈴木賢二 医療法人尚徳会 ヨナハ総合病院

概要

疾患のポイント:
  1. 副鼻腔には上顎洞・篩骨洞・蝶形骨洞・前頭洞があり、それぞれ左右1対ずつ存在している。これらに生じた炎症を総称して副鼻腔炎と呼ぶ。
  1. 通常鼻炎も伴うので、近年は、「鼻副鼻腔炎」と呼ぶ考えが世界的に主流となっている。その病態から急性と慢性(含急性増悪症)に大別される。また、急性副鼻腔炎は「急性に発症し、罹病期間が1カ月以内と短く、鼻閉、鼻漏、後鼻漏、咳嗽を認め、頭痛、頬部痛、顔面圧迫感などを伴う疾患」と定義される。
  1. 一般的にはウイルス感染に続発する急性鼻副鼻腔炎は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、カタラーリス菌などが起炎菌として重要であり、黄色ブドウ球菌あるいは特に歯性のものでは嫌気性菌も重要である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 鼻腔内所見により診断に至ることが多い。
  1. 鼻副鼻腔ファイバーでは、中鼻道より膿性鼻汁の漏出を認め、粘膜は発赤・腫脹している。
  1. 副鼻腔X線写真(Waters法、Caldwell法)では、炎症のある副鼻腔に陰影を認める。
  1. 腫瘍性病変の否定が必要な場合、内科的治療の効果が乏しい場合に鼻副鼻腔CTを撮影する。副鼻腔CT所見では、炎症のある副鼻腔に明瞭な陰影を認める。
  1. 鼻内所見(鼻腔ファイバー):<図表>
  1. X線写真:Waters法(後頭おとがい法):<図表>
  1. 必要に応じて細菌検査用検体を中鼻道より採取し細菌検査を行う。
  1. 副鼻腔癌、非浸潤型副鼻腔真菌症、浸潤型副鼻腔真菌症を必要に応じてMRIなどを追加することにより鑑別する。
 
合併症: >詳細情報 
  1. 激しい頭痛や、眼痛・眼瞼腫脹など症状を認める患者では、CTによる評価を行い、眼窩内合併症である眼窩蜂窩織炎、眼窩骨膜下膿瘍や頭蓋内合併症である脳膿瘍、髄膜炎、海綿静脈洞血栓症などの評価を行う。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 使用抗菌薬に耐性の菌でなければ予後は良好と思われる。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時検査
  1. 下記の検査を行い、副鼻腔炎の診断・評価を行う。
  1. 前鼻鏡による鼻内所見による急性鼻副鼻腔炎の確認
  1. X線写真(Waters法[後頭おとがい法]、Caldwell法[後頭前頭法])や副鼻腔CTによる病勢の確認
  1. 初期治療の効果が不十分の場合、症状が中等症以上の場合は、中鼻道より新たに流出する検体からの無菌的細菌学的検索
  1. 激しい頭痛や、眼痛・眼瞼腫脹など症状を認める患者では、CT(可能ならば造影)による評価を行い、眼窩内合併症である眼窩蜂窩織炎、眼窩骨膜下膿瘍や頭蓋内合併症である脳膿瘍、髄膜炎、海綿静脈洞血栓症などの評価を行う。
○ 診断には1)または2)による評価が有用である。病勢の評価目的で3)による評価を行う。また、症状の強い場合、眼合併症、頭蓋内合併症を疑われる場合や保存的治療抵抗例、再発例、合併症を認める場合は4)を考慮する。また、初期治療の効果が不十分の場合、症状が中等症以上の場合は、5)を評価する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

重症度スコア判定:点数表
急性副鼻腔炎治療アルゴリズム(小児・軽症)
急性副鼻腔炎治療アルゴリズム(小児・中等症)
急性副鼻腔炎治療アルゴリズム(小児・重症)
急性副鼻腔炎治療アルゴリズム(成人・軽症)
急性副鼻腔炎治療アルゴリズム(成人・中等症)
急性副鼻腔炎治療アルゴリズム(成人・重症)
X線写真:Waters法(後頭おとがい法)
右篩骨洞癌(副鼻腔造影Axial CT)
右上顎洞真菌(Coronal CT)
著者校正/監修レビュー済
2018/08/23

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った(変更なし)。


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