かぜ :トップ    
監修: 山本舜悟 京都大学医学部附属病院 臨床研究教育・研修部
桐ケ谷大淳 日南市立中部病院

概要

疾患のポイント:
  1. かぜ(かぜ症候群)とは、気道の非特異的急性炎症(鼻汁、咽頭痛、咳などの症状)をメインとする症候群である。
  1. ほとんどの場合は自然治癒するため、かぜと紛らわしい重大な疾患の除外が重要になる。
  1. 原因の90%近くはウイルス感染で、抗菌薬はまず不要である。膿性分泌物(膿性鼻汁や痰)があるからといって細菌感染症とは限らない。
  1. 症状を鼻・副鼻腔(くしゃみ、鼻汁、鼻閉)、咽頭(咽頭痛)、下気道(咳)の3領域に分けて、それぞれの程度から病型を考えるとわかりやすい。
  1. 多様な症状が3領域にまたがる場合はウイルス感染が示唆され、抗菌薬の適応はないと判断される。
  1. 抗菌薬の適応を考慮するうえで、鼻・副鼻腔症状がメインなら細菌性急性副鼻腔炎、咽頭症状がメインなら溶連菌性咽頭炎、下気道症状がメインなら肺炎の鑑別が重要となる。
 
診断: >詳細情報 
  1. 原因のほとんどはウイルス感染である。通常は10日以内に自然に治癒する。かぜの診断で重要なのは他疾患の鑑別・除外である。
  1. 症状に基づき、溶連菌性咽頭炎、肺炎、副鼻腔炎などを除外する。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 通常は7~10日程度で治癒し、重症化することはまれである。
  1. 高熱や多呼吸などバイタルサインに異常のある患者、65歳以上の高齢者、基礎疾患のある患者は、重症化しやすいため注意が必要である。
 
治療: >詳細情報 
  1. かぜ治療の主体は症状緩和のための対症療法である。
  1. 抗菌薬が適応となる症例は限られている。安易に抗菌薬を投与することは下痢などの副作用や耐性菌増加につながる恐れがあるので推奨しない。
 
専門医相談のタイミング >詳細情報 
  1. 免疫不全患者で症状が長引くか重症のときには、感染症内科専門医に相談する。
 
臨床のポイント:
  1. かぜを疑うときは、かぜと紛らわしい重症疾患の除外が重要である。
  1. かぜの治療として行わなければいけないものはない。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

危険徴候とその対応
  1. 危険徴候として以下のものを認める際には、追加の検査を考慮する。
  1. 悪寒・戦慄
  1. 高熱
  1. 低血圧
  1. 頻脈
  1. 頻呼吸
  1. 気道症状の欠如
○ 危険徴候を認める際には、以下の検査を考慮する。流行状況によってインフルエンザ迅速検査、CentorスコアによりA群β溶連菌迅速抗原検査(RSAT)を考慮すること。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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かぜの識別
著者校正/監修レビュー済
2017/09/29


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