レジオネラ肺炎

著者: 久保健児 日本赤十字社和歌山医療センター 感染症内科部

監修: 上原由紀 聖路加国際病院 臨床検査科/感染症科

著者校正/監修レビュー済:2019/10/26

概要・推奨  

  1. レジオネラ肺炎は、市中肺炎において鑑別するよう推奨される(推奨度1)
  1. レジオネラ肺炎の診断に有用な単独の症候はないが、肺外症状など複数の症候から検査前確率を考慮して積極的に疑うことが推奨される(推奨度1)
  1. 宿主の背景として、50歳以上、喫煙歴、慢性肺疾患、細胞性免疫不全(長期コルチコステロイド投与、TNFアンタゴニスト)、糖尿病、末期腎不全、悪性腫瘍(肺癌、血液腫瘍など)、臓器移植後などのリスク因子があれば、積極的に疑うよう推奨される(推奨度1)
  1. レジオネラ肺炎の原因は、わが国では半数前後がL. pneumophila serogroup 1である。尿中抗原検査(イムノクロマト法)で検出できるのは、従来はL. pneumophila血清型1のみであった(成人肺炎診療ガイドライン2017本呼吸器学会))。2019年に15種類の血清型(1~15)を検出できる尿中抗原検査が日本で販売された。したがって、各施設で用いている検査キットの特徴を確認する必要がある(推奨度1)
  1. レジオネラは、肺胞マクロファージなど貪食細胞内で増殖(細胞内寄生)するため、細胞内活性が低いβラクタム系抗菌薬やアミノグリコシドは無効である(推奨度1)
  1. レジオネラ肺炎に対する第一選択として、キノロンまたはマクロライドが推奨される(推奨度1)
  1. レジオネラ肺炎に対し、
  1. ①レボフロキサシンを投与する場合、500mg×1回/日 静注または内服 合計7~10日間というレジメンが推奨される(推奨度1)
  1. ②アジスロマイシンを投与する場合、500mg 1回/日 静注または内服 合計3~5日間というレジメンが推奨される(推奨度1)
  1. レジオネラに対して、レボフロキサシンまたはマクロライドにリファンピシンを加える併用療法は、ルーチンには推奨されない(推奨度3)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行ったが、大きな推奨の変更はない。
  1. 解説のなかで、2017年の⽇本呼吸器学会のガイドラインに記載されている治療期間、および、PCRを使った疫学の知⾒(ニュージーランド等)について、追記した。また、2019年に15種類の血清型を対象とした尿中抗原検査が販売されたので、尿中抗原検査に関する記載を修正した。


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