上腕骨顆上骨折 :トップ    
監修: 落合直之 キッコーマン総合病院外科系センター
西須 孝 千葉県こども病院 整形外科

概要

疾患のポイント:
  1. 小児の肘周囲の骨折・脱臼のなかで最も頻度が高いため、高所からの転落などで手を突いての受傷であれば、真っ先に上腕骨顆上骨折を疑う。骨折の転位の程度、神経・循環障害の有無で治療法を選択する。
  1. 小児の肘関節周囲骨折のなかで60~80%と最も頻度が高く、5~6歳にピークがあり、男子に多い。
  1. 雲梯や鉄棒などの高所から転落し、手から地面について受傷する伸展型が多い。骨の断面積が小さい上腕骨の顆上部にストレスが集中して骨折を生じる。約10%に神経麻痺を合併する。多くの場合自然回復するが、尺骨神経麻痺は完全回復しないことが多いという報告もある[1]。
 
診断: >詳細情報 
  1. 受傷機転、臨床所見、X線検査に上腕骨顆上骨折を確認する。
  1. 肘関節正側面2方向の単純X線撮影を行う。通常、診断は容易だが、疼痛や腫脹がはっきりしているのに上腕骨顆上骨折を認めない場合には他の骨折・外傷を考える。
  1. 単純X線像:<図表>

重症度・予後: >詳細情報 
  1. 骨折の重傷度は単純X線での転位の方向と程度による。(阿部の分類 解説 )
  1. 整復位が保持されれば予後良好で、機能障害を残すことは少ない。
  1. 骨折の整復とその保持が不十分な場合には合併症として高率に内反肘( 解説 を生じる。
 
治療:アルゴリズム  >詳細情報 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断例
  1. すべての患者で単純X線肘関節2方向撮影を行う。健側も撮影し、整復の指標とするのが望ましい。 解説 
○ 成長軟骨の存在が正確な骨折読影を難しくするので両側を撮影し、参考とする

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リファレンス

img  1:  Long-term Functional Results of Neurological Complications of Pediatric Humeral Supracondylar Fractures.
 
PMID 25379825  J Pediatr Orthop. 2015 Sep;35(6):606-10. doi: 10.1097/B・・・
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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上腕骨顆上骨折の治療アルゴリズム
阿部の分類
単純X線像
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21