今日の臨床サポート

肘関節痛

著者: 金谷 文則 富永草野病院、琉球大学

監修: 竹下克志 自治医科大学整形外科

著者校正/監修レビュー済:2022/02/16
患者向け説明資料
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
金谷 文則 : 特に申告事項無し[2022年]
監修:竹下克志 : 講演料(第一三共,イーライリリー,ファイザー,エーザイ,塩野義)[2022年]

改訂のポイント:
  1. 定期レビューによる見直しを行った。

病態・疫学・診察

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 肘関節痛は年齢により特徴的な病態を示す。外傷性、非外傷性に分けて年代別に鑑別診断を考えるとよい。
  1. 幼児(6歳以下):外傷がほとんどであり、腫張があれば上腕骨遠位骨端線離開、肘関節脱臼、腫張がなく肩・肘を動かさなければ肘内障を疑う。
  1. 小児(15歳以下):外傷では7歳を中心に上腕骨顆上骨折や上腕骨外側顆骨折、12歳前後では上腕骨内側上顆骨折が多い。そのほか、肘関節脱臼や橈骨頭骨折、Monteggia脱臼骨折(尺骨骨折に橈骨頭脱臼を合併)に注意する。この年齢では骨折に次いでスポーツ障害である野球肘が好発する。野球肘は内側型、外側型、前方型、後方型に分けられ、内側型と外側型は投球時の肘関節外反により上腕骨内側上顆骨端核の癒合不全・偽関節や上腕骨外側顆離断性骨軟骨炎を生じる。前方型では投球過多による上腕二頭筋腱炎、後方型では過伸展による後方インピンジメント(肘頭骨端癒合不全や疲労骨折を含む)を疑う。
  1. 青年(25歳以下):外傷特にバイク事故による高エネルギー損傷が特徴的である。
  1. 青壮年およびそれ以降:外傷に加えて使いすぎ(over use)症候群が好発する。外側では上腕骨外側上顆炎、内側では上腕骨内側上顆炎が多い。また、内反肘(主に上腕骨顆上骨折変形治癒)に続発する遅発性尺骨神経麻痺や後外側回旋不安定症、外反肘(主に上腕骨外側顆骨折偽関節)に続発する遅発性尺骨神経麻痺、そして離断性骨軟骨炎に続発する変形性関節症もこの時期に顕在化する(注:内反肘、外反肘のいずれでも遅発性尺骨神経麻痺をおこし得る)。手をよく使う労働者では一次性の変形性肘関節症や肘部管症候群も生じる。転位の少ない高齢者の通顆骨折はX線写真でみえにくいので注意する。
  1. 腫瘍:肘周辺に原発する腫瘍は少ない。ガングリオンや腫瘍により神経が圧迫される場合や、骨軟骨腫が皮膚を圧迫して疼痛を生じる場合が多いが、血管腫や類骨骨腫などでは腫瘍により疼痛を生じる。
  1. 神経炎:先行する上気道感染に引き続き肘痛を生じその後、前骨間神経や後骨間神経に砂時計様くびれ(hourglass constriction)をつくり、運動神経麻痺を来す特徴的な経過をとるが、先行感染がない場合も多い。圧痛点は肘関節しわの2~5cm近位にあることが多い。
  1. 絞扼性神経障害:肘関節部で最も頻度の高い肘部管症候群は尺骨神経麻痺を主訴とすることが多く、肘関節痛を訴えることは少ない。一方、正中神経が円回内筋入口部で絞扼される円回内筋症候群は疼痛と圧痛が特徴的である。橈骨神経管症候群は肘関節外側の頑固な圧痛が特徴で外側上顆炎との鑑別が必要になる。
問診・診察のポイント  
 
 
 
  1. 問診と理学所見で90%以上の症例で診断が可能である。X線、CT、MRIなどの画像診断やエコーは病変の局在、程度を知るために重要である。

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文献 

Joseph R Lynch, Thanapong Waitayawinyu, Douglas P Hanel, Thomas E Trumble
Medial collateral ligament injury in the overhand-throwing athlete.
J Hand Surg Am. 2008 Mar;33(3):430-7. doi: 10.1016/j.jhsa.2007.12.015.
Abstract/Text Medial collateral ligament injuries are rare and occur almost exclusively in overhand-throwing athletes. The late cocking phase of the overhand throw places a marked valgus moment across the medial elbow. This repetitive force reaches the tensile limits of the medial collateral ligament, subjecting it to microtraumatic injury and attenuation. The anterior bundle of the medial collateral ligament has been identified as the primary restraint to valgus load and is the focus of reconstruction. Diagnosis of medial collateral ligament injuries should be suspected in any overhand-throwing athlete with a history of medial-sided elbow pain, decreased control, and reduced throwing velocity. Injury to the medial collateral ligament can be confirmed by physical examination (moving valgus stress test) and appropriate imaging studies (computed tomography arthrogram and magnetic resonance imaging). Reconstructive techniques of the medial collateral ligament have evolved over time and currently provide superior outcomes, with 80% to 90% of athletes returning to the same level of competitive play. As our understanding of the pathoanatomy of medial elbow injuries progresses and newer hybrid techniques evolve, our ability to care for the overhand-throwing athlete can be expected to improve.

PMID 18343303

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