今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 都丸洋平 千葉こどもとおとなの整形外科

監修: 落合直之 キッコーマン総合病院外科系センター

著者校正/監修レビュー済:2021/05/19
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、診断・血行評価に関する超音波検査に関して追記した。

概要・推奨   

  1. 骨折の診断には、単純X線検査、超音波検査が有用推奨度1)。 
  1. 転位が少ない症例は保存療法、転位の大きい・血流障害のある症例では手術加療が推奨される推奨度2)。

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 上腕骨顆上骨折は小児の肘関節周囲骨折のなかで60~80%と最も頻度が高く、5~6歳にピークがあり、男子に多い。
  1. 雲梯や鉄棒などの高所から転落し、手から地面について受傷する伸展型が多い。
  1. 骨の断面積が小さい上腕骨の顆上部にストレスが集中して骨折を生じる。
  1. 通常、末梢骨片は伸展位をとり、程度が強い場合には後内側へ転位し、回旋を伴う。
  1. 約10%に神経麻痺を合併する。多くの場合自然回復するが、尺骨神経麻痺は完全回復しないことが多いという報告もある[1]
  1. 急性期の腫脹により循環障害を生じ、重篤な機能障害を生じることがある。
  1. 骨折の整復とその保持が不十分な場合には合併症として高率に内反肘を生じる。
 
  1. 内反肘変形の計測(推奨度2)(参考文献:[2]
  1. 体前屈し肘関節を90°屈曲位で肩関節を内旋させる。最大内旋位にしたときの前腕と水平線とのなす角度を測定する。健側との角度差が肘関節の内旋角度となる。
  1. 内反肘の矯正手術の際の矯正角度の算定に有効である。
 
内旋角度の計測法

出典

澤泉卓哉先生ご提供
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 受傷場所や受傷機転を確認する。通常、受傷時に現場にいて同行してきた大人に確認することが多い。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
都丸洋平 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:落合直之 : 未申告[2024年]

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上腕骨顆上骨折

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