手根管症候群 :トップ    
監修: 落合直之 キッコーマン総合病院外科系センター
原友紀 筑波大学 整形外科

概要

疾患のポイント:
  1. 手根管症候群は、手根管内圧が上昇して正中神経が圧迫され、正中神経領域の感覚障害、母指球筋の筋萎縮を来す疾患である。夜間や頻繁に手を使った際に症状が増悪する。
  1. 病状が進行すると、感覚鈍麻、疼痛、母指球筋萎縮が出現し、さらに進行すると、母指球筋の萎縮が著明になり、つまみ動作が障害される。
  1. 母指球萎縮:<図表>
 
診断:  >詳細情報 
  1. 夜間早朝・手使用時に増悪する示指・中指を中心に、母指から環指橈側半分のしびれ、短母指外転筋筋力低下から主に診断する。
  1. 診察では、手根管部のTinel様徴候、Phalen testで陽性を認める。正中神経伝導速度検査で手関節以遠の伝導障害を確認する。 解説 
  1. Tinel様徴候:手根管部をたたいて正中神経支配域にしびれが走れば陽性(感度48~73%/特異度30~94%)
  1. Phalen test:手関節を1分間掌側に折り曲げ、しびれ感が増加すれば陽性(感度67~83%/特異度40~90%)
  1. Tinel様徴候、Phalen test:<図表>
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 軽症例は装具装着、ステロイド注射で寛解することが多い。手術療法は習熟した外科医が行えば合併症率も低く、成績がよい。
  1. 罹病期間が短く若年で一側性でPhalen test陰性の場合は、30%程度の患者で自然軽快がみられるとの報告がある。
 
治療:アルゴリズム  >…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査、保存療法例
  1. ほとんどすべての患者で、単純X線(手関節、手根管撮影、頚椎)、正中神経伝導速度検査を行う。
  1. 保存療法継続期間に関するエビデンスはないが、生活指導(患肢の安静)、スプリント装着、内服(NSAIDs、ビタミン B12)などを試みる。
○ 臨床所見。1)、2)の検査で確定診断後3)、4)処方、5)、6)の使用をすすめるが、症状強い症例では手根管内ステロイド注射を1回を基本として行い、無効例では手術適応とする。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

手根管症候群の治療アルゴリズム
手根管の解剖
手根管症候群典型例の感覚障害範囲
Tinel様徴候、Phalen test
手根管のMRI画像
母指球萎縮
著者校正/監修レビュー済
2017/03/31


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