肋骨骨折 :トップ    
監修: 落合直之 キッコーマン総合病院外科系センター
西野衆文 筑波大学付属病院 救急・集中治療部

概要

疾患のポイント:
  1. 胸部外傷のほとんどが交通外傷などの鈍的外傷であり、その内訳としては肋骨骨折が最も多い。
  1. 肋骨骨折の好発部位は第4~9肋骨であり、高位により合併損傷の内容が異なるので注意してみる必要がある。
  1. 合併するフレイルチェストや緊張性気胸などの胸部臓器損傷を見逃さないことが最も重要な事項の1つである。
 
診断: >詳細情報 
  1. 骨粗鬆患者では軽微な外傷でも生じ、繰り返す咳嗽やスポーツなどでは疲労骨折もある。
  1. 深呼吸やくしゃみなどで痛みが誘発され、診察上は外傷後の肋骨に沿った痛みを認める。肋骨条件のX線や超音波にて骨折を認めることより診断となる。
  1. 同時に、胸部X線では血胸、気胸などの合併症を除外することが重要である。なお、胸部X線の正面と側面像で骨折が明らかでない場合は30~50%程度ある。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 患部の疼痛のみの単純な軽症例から、肺や大血管損傷を合併する重篤な症例までさまざまな病態を有する。<図表>
  1. 第1肋骨骨折の場合、血管損傷や腕神経叢損傷を合併している可能性に留意し、第10~12肋骨の骨折では右で肝および右腎損傷を、左で脾および左腎損傷を合併しやすい。
  1. 複数本の肋骨骨折では胸壁の運動が制限され、痛みも加わり呼吸障害を引き起こすのみならず、フレイルチェストを呈する場合もある。
 
治療:
  1. まとめ:
  1. フレイルチェスト、 緊張性気胸 、大量血胸などの重症合併症がなければ、原則的には保存療法である。
  1. 保存療法:
  1. 保存療法として、通常バストバンドによる外固定を4週間ほど行う。
  1. 外固定は絆創膏固定やバストバンドによる固定を4週前後行う。
  1. 疼痛対策としては非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)(ロキソニン[60mg]3錠 分3 毎食後、セレコックス[100mg]2錠 分2 朝夕食後)の内服を行う。
  1. 手術療法:
  1. 上述の重症合併症がある場合は、開胸手術などが…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査、保存療法例
  1. ほぼすべての患者に単純X線(胸部、肋骨)検査を行う。保存療法は外固定を中心に行い、併せて疼痛コントロールも行う。
○ 通常は2)の検査、呼吸苦あるときは1)の検査を追加する。近年は3)も簡便である。保存方法目的で4)、5)を用いる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

肋骨の痛みに対する診断と治療のアルゴリズム
気管・気管支損傷を疑う時の診断・治療のアルゴリズム
胸郭の解剖
肋骨骨折と胸腔内臓器損傷
胸部外傷における身体所見とその意義
フレイルチェストの病態
内固定の方法
左第4-8肋骨骨折のX線およびCT
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21


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