化膿性脊椎炎、脊椎カリエス :トップ    
監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室
大鳥精司 千葉大学

概要

疾患のポイント:
  1. 化膿性脊椎炎は頚椎から仙椎にかけて、細菌が感染し、椎体や、椎間板を破壊していく病態である。その内訳は頚椎(9%)、胸椎(14%)、胸椎(11%)、腰椎(66%)と腰椎に多い。
  1. 感染経路の多くは血行感染であり、咽頭炎、慢性副鼻腔炎、消化管内感染、結核病巣などがその感染源と考えられる。
  1. 症状としては、背部痛、発熱を訴えることが多いが、高齢者の場合、発熱が顕著ではない場合もある。糖尿病、悪性腫瘍、肝硬変、透析、ステロイド歴、過去の感染の既往、高齢などが特に危険因子として挙げられる。
  1. 臨床症状からみた病型分類は高熱と腰背部痛の激痛、脊柱の不撓性などの典型的な急性炎症症状で発症する急性型、37°台の部微熱で発症する亜急性型、発熱がなく腰背部痛を来す潜行(慢性)型がある。
 
診断: >詳細情報 
  1. 以下のような所見を認めた場合に臨床的に診断とする。
  1. 採血データ(白血球数の増加、CRP値の上昇、赤沈値の上昇)
  1. 単純X線による罹患椎間板の狭小化、椎体終板の変性、破壊像が認められる。CTでも同様の所見を認める。
  1. 発熱、背部痛、叩打痛
  1. 血液培養 生検検体の培養にて菌の培養が確認される
  1. 実際の生検方法:<図表>
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 予後:一般的に時間はかかるが、適切な抗菌薬を用いた保存療法で軽快する。6~12カ月で椎間の骨癒合を認める。
 
治療:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 抗菌薬投与にて治療するのが一般的である。他に、安静、コルセットなどの装着を行う。
  1. 硬膜外膿…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断、保存方法
  1. ほとんどすべての患者で、採血、単純X線、CT、MRI検査を行う。生検にて検出できた場合は、適切なる抗菌薬を、検出できない場合は、広域の抗菌薬(セフェム、ペニシリン、アミノグリコシド系)を使用する。MRSAも頻度として高く、注意を要する。発熱を伴わない場合、脊椎カリエスも念頭に置く。保存療法継続期間は経口の抗菌薬、X線でのフォローアップも含めて、3~12カ月である。
○ 1)、2)、3)、4)、5)などの血液検査はすべて行う。画像診断では7)のすべては必須である。疼痛が強い例では8)、9)を使用する。6)で診断を確定でき、手術治療の適応がなければ抗菌薬治療と10)の安静を指示する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

化膿性脊椎炎のアルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01

編集履歴:
2018年7月9日 誤植修正
修正箇所:化膿性脊椎炎の典型例
L3/4 化膿性脊椎炎(縁膿菌)
L3/4 化膿性脊椎炎(緑膿菌)


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