転移性脊椎腫瘍 :トップ    
監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室
村上英樹 金沢大学 整形外科

概要

疾患のポイント:
  1. 転移性脊椎腫瘍とは、悪性腫瘍が脊椎に転移した腫瘍性疾患である。骨は肺、肝臓に次ぐがん転移の好発部位であり、骨転移のなかで脊椎は最も転移しやすい部位である。
  1. 原発巣として、肺癌、乳癌、前立腺癌、甲状腺癌、腎細胞癌などの頻度が高い。腫瘍による骨破壊が起きると脊柱の支持性が失われ、首や背中、腰の疼痛が生じる。
  1. 脊椎は肺、肝臓に次ぐがん転移の好発部位であり、痛みと麻痺を引き起こして患者のADLを著しく障害する。
 
診断: >詳細情報 
  1. 単純X線で片側椎弓根像の消失(winking owl sign)は、脊椎腫瘍を疑う所見である。 解説 
  1. CTでは骨破壊の程度が評価できる。周囲に骨硬化を伴う場合には悪性度の低い腫瘍が疑われる。また、骨硬化性の病変は前立腺癌や乳癌、スキルス胃癌の転移を疑う。 解説 
  1. MRIは腫瘍の骨外進展の評価に有用で、椎体圧迫骨折や化膿性脊椎炎との鑑別にも有用である。
  1. 確定診断のためにはCTガイド下で生検を行う。
 
原発巣の評価・合併症評価: >詳細情報 
  1. 頭部も含めた全身CTを撮影して転移巣の検索を行う。特に肺転移、肝転移、リンパ節転移がないかどうかを確認する。できれば造影CTが望ましい。
  1. 採血では、原発と考えられる癌の腫瘍マーカーをチェックする。甲状腺癌の転移ではサイログロブリンを測定する。また、多発性骨髄腫(形質細胞腫)との鑑別に蛋白分画や尿中のベンス・ジョーンズ蛋白を検査し、悪性リンパ腫との鑑別にsIL-2R(可溶性IL-2受容体)を測定する。
  1. 合併症の確認として、貧血、高Ca血症、腎障害、糖尿病の検査を行う。
 
治療: >詳細情報 
  1. 半年以上の予後が見込めない場合には、保存療法を第1選択とする。麻薬を中心とした強力な疼痛コントロールのもと、放射線療法、ストロンチウム治療を考慮する。同時にゾレドロン酸あるいはデノスマブの投与を行う。
  1. 半年以上の予後が見込め、痛みや麻痺がある場合には手術を考慮する( …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. すべての患者に、脊椎単純X線、全身CT、脊椎MRI、骨スキャンを行う。
○ 局所の状態を診断するために1)、3)を、全身の癌のスクリーニングとして2)を、全身的な骨転移の有無の検索をする場合には、4)を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

転移性脊椎腫瘍に対する治療アルゴリズム
乳癌のT7転移
著者校正/監修レビュー済
2016/06/10


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