変形性股関節症 :トップ    
監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室
青田恵郎 福島県立医科大学

概要

疾患のポイント:
  1. 変形性股関節症とは、寛骨臼と大腿骨頭の関節軟骨が摩耗し、歩行の開始時や長距離歩行時に鼠径部や殿部の痛みの症状を示す疾患である。
  1. 単純X線写真での診断では、日本での有病率は1.0~4.3%で、女性に多い。発症年齢は平均40~50歳である。
  1. 患者は、「座っていて立つときに足の付け根が痛い」「30分くらい歩くと足の付け根が痛くなる」などと訴えて受診をする。
 
診断: >詳細情報 
  1. 歩行に伴う股関節痛と跛行、股関節の可動域低下から主に診断する。脊椎疾患との鑑別に注意するが、併存していることもある。
  1. 外転筋力の評価目的で、Trendelenburgテスト※を行う。(感度55%/特異度77%)
  1. 股関節に痛みを起こす病態(炎症など)があるかの評価目的で、Patrickテスト※を行う。(感度93%/特異度84%)
  1. 単純X線写真両股関節前後像で関節裂隙の減少~消失を確認する。 解説 
  1. ※Trendelenburgテスト: 評価側の下肢で片足立ちしたときに反対側の骨盤が下がれば陽性である。<図表>
  1. ※Patrickテスト: 仰臥位で評価側の足背を反対側の膝蓋骨に載せ、評価側の膝を押さえたときに評価側の鼠径部に痛みが出れば陽性である。<図表>
 
原因疾患・合併疾患: >詳細情報 
  1. 化膿性股関節炎、神経障害性関節症(Charcot関節)、先端巨大症、血清反応陰性脊椎関節症、骨系統疾患などが鑑別疾患である。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 病状が進行すると、連続して歩行できる時間が短くなる。さらに進行すると、安静時や就寝中にも足の付け根が痛むようになる。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例、保存療法例
  1. ほとんどすべての患者で、単純X線写真(両股関節前後像)を撮影する。
  1. 保存療法では、体重の調整(減量)、生活指導(重いものを持たない)、筋力強化(水泳・水中歩行も含む)、杖の使用、内服(NSAIDsと抗潰瘍薬)などを試みる。
○ 4)が診断の基本。疼痛には5)、胃腸障害が生じやすい例では6)を追加。1)2)は日常生活の指導として重要である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

変形性股関節症のアルゴリズム
股関節の構造
Trendelenburgテスト
股関節の可動域表示ならびに測定法
Thomasテスト
Patrickテスト
股関節機能判定基準(1995年改訂版)
股関節外転筋の筋力強化訓練
変形性股関節症の大腿骨頭と単純X線像
著者校正/監修レビュー済
2017/12/25


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