単純性股関節炎 :トップ    
監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室
扇谷浩文 おおぎや整形外科

概要

疾患のポイント:
  1. 単純性股関節炎とは、病因が不明の小児期の股関節痛を来す代表的な疾患である。ときとして大腿部痛・膝痛、歩行困難を訴えることもある。
  1. ときに感冒様症状が前駆症状として認められることもある。
 
診断:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 明らかな原因が不明または激しい運動後に生じた股関節痛、大腿部痛、膝痛があり、股関節の内旋・屈曲時痛があり、スカルパ三角部に圧痛があることで診断できる。腸腰窩に圧痛のないことも確認しておく。単純X線で異常がなく、超音波検査にてUJS(超音波上の関節裂隙)に明らかな左右差があることで診断できる。
  1. 発熱がある際は関節穿刺を施行して関節液の検査を施行する。
  1. 股関節のX線像:<図表>
  1. 股関節前方からの超音波画像:<図表>
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 通常1~2週間の安静で自然治癒する。病状が長引くと、慢性化したり、ペルテス病に発展することもある。
 
治療:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 治療としては保存療法にて十分である。まずは安静が第一である。歩行不能、軽度の運動にて痛みある際には重症と考え入院させて牽引し絶対安静とする。
 
専門医への紹介:
  1. 診断に迷う場合は整形外科にてフォローアップすることが望ましい。
 
臨床のポイント:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断、保存療法例
  1. 単純性股関節炎を疑った場合は、単純X線、超音波検査を行う。
  1. 保存療法継続期間についてのエビデンスはないが、生活指導(患肢の安静)を指示する。ときに股関節前面にシップ(ロキソニンテープなど)を貼布する。または入院安静を指示する。
○ すべての症例で1)、2)を行う。2)で関節液の貯留が認められ、発熱があり化膿性関節炎が疑われれば3)~5)を行う。治療は自宅安静、それが困難と思われる際は6)である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

単純性股関節炎 診断と治療のアルゴリズム
初診時 股関節のX線像
関節裂隙の超音波画像
著者校正/監修レビュー済
2016/06/30