跛行 :トップ    
監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室
芳賀信彦 東京大学 リハビリテーション科

概要

疾患のポイント:
  1. 跛行とは歩行、歩容の異常であり、「異常歩行」、「歩容異常」との区別は明確でなく、原因や病態も多岐にわたる。
  1. 軟性墜落性跛行は、股関節外転筋の筋力低下により骨盤の傾斜を生じるもので、変形性股関節症などにより生じる。
  1. 硬性墜落性跛行は、下肢長差による異常歩行で、下肢長差の原因はさまざまである。
  1. 以上のほかに、片側下肢に痛みがある場合の疼痛回避歩行、足関節背屈筋力低下による鶏歩、中枢神経の異常による痙性歩行、失調性歩行などを跛行に含めることがある。
  1.  間欠性跛行 では、末梢動脈疾患と腰部脊柱管狭窄症の鑑別が重要である。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 跛行を主訴とする疾患で緊急の対応が必要なことはまれである。末梢動脈疾患の急性増悪による血流途絶、腰部脊柱管狭窄症の進行による排尿・排便障害の出現では緊急の対応が必要である。

症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 跛行の種類、原因により治療は異なる。リハビリテーションや装具が適応となることは多い。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 著しい筋力低下や膀胱直腸障害を示す腰部脊柱管狭窄症、著しい疼痛や末梢の壊死を示す末梢動脈疾患、腫瘍性疾患などは積極的な治療の適応であり、専門医への紹介を考慮する必要がある。
 
診断へのアプローチ:(身体診察: >詳細情報 ・鑑別疾患: 鑑別疾患 ・アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 跛行の原因は多様であり、原因により特徴が異なる。問診と診察により、軟性墜落性跛行、硬性墜落性跛行、疼痛回避歩行、鶏歩、痙性歩行、失調性歩行のいずれであるのかを鑑別するのが最初の一歩である。
  1. 体幹の揺れがある場合、硬性墜落性跛行と軟性墜落性跛行を見分ける必要がある。
  1. 頻度の高い疾患: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

下肢血流途絶、尿閉時の緊急検査例
  1. 下肢血流途絶、尿閉時を認める症例では、急性動脈閉塞、脊髄麻痺の急性増悪の可能性があり、緊急手術を含む対応を行わないと後遺障害が残るので、緊急検査を行う。
○ 血流障害を疑う場合、1)2)を、尿閉を含め脊髄麻痺を疑う場合はスクリーニングとして3)の検査を行う。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

跛行の鑑別のアルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01