今日の臨床サポート

歩容異常

著者: 藤原清香1) 東京大学医学部附属病院リハビリテーション科

著者: 田中栄2) 東京大学 整形外科・脊椎外科

監修: 落合直之 キッコーマン総合病院外科系センター

著者校正/監修レビュー済:2017/01/20
患者向け説明資料

概要・推奨   

症状のポイント:
  1. 正常歩行は連続した運動の対称性と一定のリズムがあるのに対し、これらの乱れによって歩容異常を判断することができる。
 
緊急対応:
  1. 中枢神経・脊髄疾患のほか、処置が必要な外傷では、緊急な対応が必要である。検査・治療の可能な施設への転送や、ただちに専門家にコンサルトして確定診断と治療を開始する。
 
症状治療・診断的治療:
  1. 原因疾患に対する効果的な治療法がない場合や症状の改善が期待できない場合、装具や杖の使用を考慮することになる。この場合は歩容異常の分析が直接的に治療方法に結びつく。歩容異常を改善するための装具や歩行補助具やボツリヌス毒素療法などの適応を検討し、さらに詳細な装具の調整や歩行補助具、必要に応じて環境整備などを行う。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
藤原清香 : 特に申告事項無し[2022年]
田中栄 : 講演料(第一三共(株),中外製薬(株),ファイザー(株)),研究費・助成金など(EAファーマ(株),関東化学(株),(医)アヴェニュー,ニプロ(株),ロート製薬(株)),奨学(奨励)寄付など(あゆみ製薬(株),エーザイ(株),旭化成ファーマ(株),中外製薬(株),日本ストライカー(株))[2022年]
監修:落合直之 : 未申告[2022年]

病態・疫学・診察

症状のまとめ(症状を診断するための疫学情報、病態、注意事項)  
  1. 正常歩行は連続した運動の対称性と一定のリズムがあるのに対し、これらの乱れによって歩容異常を判断することができる[1][2][5][7]
  1. 原因として下肢筋骨格系の異常、脊椎や脊髄、中枢・末梢神経系の異常、平衡感覚機能の異常のほか心理的な要因や疲労など多岐にわたって考えられ、またそれらがときには複数関与していることが考えられる。 解説  解説 
  1. 小児の歩容異常や歩かないという主訴で救急外来を訪れることがある。救急受診患者1,000例中1.8例
問診・診察のポイント  
  1. 初診の際は診察室への入室時の歩行の様子や姿勢、椅子への座り方を観察することが重要である。患者本人が観察されていることを意識せずに歩行していることが多く、観察されていると知ってしまうと患者は意識してしまうために、真の歩行の異常について診断することができなくなってしまうためである。ときに診察や検査終了後の患者の歩行が本来の歩行であることがあり、注意深く観察することが望ましい[1][2][4][5]。 解説  解説 

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文献 

S U Fischer, T F Beattie
The limping child: epidemiology, assessment and outcome.
J Bone Joint Surg Br. 1999 Nov;81(6):1029-34.
Abstract/Text We investigated the epidemiology, assessment and outcome of acute atraumatic limp in 243 children under the age of 14 years presenting to a paediatric accident and emergency department (AED) over a period of six months. Data were collected at presentation and medical notes were re-examined after 18 to 21 months. The incidence of limp was 1.8 per thousand. The male:female ratio was 1.7:1 and the median age 4.35 years. Limp was mainly right-sided (54%) and painful (80%); 33.7% of the children had localised pain in the hip. A preceding illness was found in 40%. The main diagnosis was 'irritable hip'/transient synovitis (39.5%); Perthes' disease accounted for 2%. Most patients (77%) were managed entirely in the AED. Acute atraumatic limp is a common problem in children presenting to the AED. Most can be safely managed there if guidelines are followed and will have a benign outcome. Further studies are needed to identify the role of preceding illness in the aetiology of acute atraumatic limp.

PMID 10615981

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