今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 吉岡健太郎 名城病院肝臓病センター

監修: 持田智 埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科

著者校正済:2025/04/09
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 特発性造血障害に関する調査研究班:輸血後鉄過剰症の診療参照ガイド 令和4年度改定版
  1. EASL(European Association for the Study of the Liver):EASL Clinical Practice Guidelines on haemochromatosis(2022)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 特発性造血障害に関する調査研究班『輸血後鉄過剰症診療の参照ガイドの令和4年改訂版』が発表された。ヘモクロマトーシスは遺伝性が想定される場合に使用した方がよいとの提言を受けて、本稿では「二次性ヘモクロマトーシス」を「続発性鉄過剰症」に変更した。
  1. わが国における遺伝性ヘモクロマトーシスの報告が少しずつ増えているので、本稿では報告症例数を修正した。
  1. NASHについて、新たな名称である代謝機能障害関連脂肪肝炎(metabolic dysfunction-associated steatohepatitis:MASH)へ変更した。

概要・推奨   

概要:
  1. 鉄過剰症は通常体内に存在すべき鉄量である約3~5 gを超えた鉄を蓄積した状態と定義される。遺伝子の変異に基づき発症する原発性鉄過剰症とそれ以外の原因から起こる続発性鉄過剰症に分けられ、原発性鉄過剰症の大部分を占めるのが遺伝性ヘモクロマトーシスである。
  1. 遺伝性ヘモクロマトーシスは白人では最も頻度の高い遺伝性疾患であるが、わが国では希少疾患である。
  1. 再生不良性貧血や骨髄異形成症候群など難治性貧血の治療のために赤血球輸血を繰り返すことで続発性鉄過剰症を発症する。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 鉄過剰症は通常体内に存在すべき鉄量である約3~5 gを超えた鉄を蓄積した状態と定義される[1]。遺伝子の変異に基づき発症する原発性鉄過剰症とそれ以外の原因から起こる続発性鉄過剰症に分けられ、原発性鉄過剰症の大部分を占めるのが遺伝性ヘモクロマトーシスである。
  1. ヘモクロマトーシスとは、全身臓器の実質細胞に鉄が蓄積し、臓器障害を来す疾患である。主に肝障害、糖尿病、心筋症を来す。
  1. 遺伝性と二次性がある[1]
  1. 遺伝性ヘモクロマトーシスは白人では最も頻度の高い遺伝性疾患であるが、わが国では希少疾患である。
  1. 複数の遺伝子異常で発症し、Type1ヘモクロマトーシスはHFE遺伝子変異により、白人では250人に1人の高頻度でみられる。
  1. Type2Aはヘモジュベリンの変異、Type2Bはヘプシジンの変異、Type3はトランスフェリン受容体(TFR2)の変異、Type4がフェロポーチンの変異による[2]
  1. わが国では、Type1が3家系3例、Type2Aが6家系9例、Type2Bが1家系1例、Type3が5家系7例、Type4が6家系7例と報告されている[3][4]
  1. 再生不良性貧血や骨髄異形成症候群など難治性貧血の治療のために赤血球輸血を繰り返すことで続発性鉄過剰症を発症する[1]
  1. わが国では鉄過剰症の93%が輸血によるという報告がある。
  1. 肝障害、肝硬変、肝癌、皮膚色素沈着、糖尿病、心筋症、甲状腺機能低下症、性腺機能低下症、関節症などを来す。
  1. 発症年齢は病型による。Type1ヘモクロマトーシスの発症は男性が早く30代から40代にみられる。女性では月経や出産で鉄を失うために閉経後に発症することが多い。欧米では、診断と治療の進歩により、進行した状態で発見されることは稀となっている[5]。Type2は若年性ヘモクロマトーシスであり、10代~20代で発症し、鉄蓄積が高度であり、性腺機能低下、糖尿病、心筋症を生じ、予後不良である。
  1. 遺伝性ヘモクロマトーシスは特異な症状から疑う場合、無症状だが血液検査や家族歴から疑う場合、非特異的全身症状(疲労感、倦怠感、無気力、体重減少など)から疑う場合がある。
  1. 血清フェリチン値の上昇、トランスフェリン飽和度上昇により疑う。肝CT値上昇、MRIでは肝T1、T2強調像での信号強度の低下により鉄沈着を証明する。
  1. 輸血後鉄過剰症の診断基準は、血清フェリチン値500 ng/mL以上、かつ総赤血球輸血量20単位(小児の場合、ヒト赤血球濃厚液50 mL/体重kg)である[1]
  1. 治療は瀉血である。瀉血のできない症例にはキレート剤のデフェロキサミン注射、デフェラシロクス内服がある。
問診・診察のポイント  
  1. 肝障害、肝硬変、肝癌

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
吉岡健太郎 : 報酬額((株)三和化学研究所)[2025年]
監修:持田智 : 講演料(エーザイ(株),中外製薬(株),あすか製薬(株),東レ(株),ギリアド・サイエンシズ(株),アッヴィ合同会社)[2025年]

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