トリアージ :トップ    
監修: 林寛之 福井大学医学部附属病院
東裕之 福井県立病院 救命救急センター

概要

ポイント:
  1. トリアージとは、重症度を評価し、適切な治療を適切な時間に受けるために行うもので、災害時だけでなく病院診察前にも行えるものである。
 
START/ JumpSTART法:
  1. 災害時では呼吸状態・脈・意識状態・歩行可能かどうかの項目で4段階に区分するSTART/JumpSTART法が一般的である。8歳未満の小児に対してはJumpSTARTを使うことが多い。
  1. 「黒:死亡」「赤:緊急」「黄:準緊急(待機)」「緑:非緊急」の4段階に分類する方法で、まず、歩行可能であれば緊急度は低くなり「緑:非緊急」と評価を行う。次に、呼吸・循環・意識状態を基にトリアージを行っていく。
  1. 簡単なトリアージと迅速な治療(Simple Triage and Rapid Treatment :START):アルゴリズム
  1. JumpSTART法:アルゴリズム
  1. STARTとJumpSTARTを組み合わせたアルゴリズム:アルゴリズム
 
SALT法:
  1. START/JumpSTARTではなく最近はSALT法を用いたトリアージも使われている。SALT法はまず歩行可能か、指示に応じられるかなどで評価を行う優先順位を決めてから呼吸・循環状態で区分していく。
  1. SALT法は5段階評価となる。「黒:死亡」「赤:緊急」「黄:準緊急(待機)」「緑:非緊急」の4段階に追加して、医療資源状況で救命が困難と思われるものを“Expectant”(灰)として評価を行う。ただし、「灰」は災害の規模や使える医療資源などにより変化する柔軟なものである。
  1. SALT法で救命処置として示されているのは次の5項目である。
  1. ①大きな出血に対するコントロール
  1. ②気道確保(気管挿管などの高度な気道確保は除く)
  1. ③小児に対して2回の人工呼吸
  1. ④緊張性気胸に対する減圧
  1. ⑤自己注射器による解毒剤投与
  1. SALT法(Sort,Assess,Life-saving intervention,Transport/Treatment):アルゴリズム
 
外傷における現場トリアージ:
  1. 外傷における現場トリアージではバイタルサインや受傷機転などを考慮し、適切な施設へ適切な時間内で搬送することが求められる。
  1. STEP1で、生理学的評価である、意識(GCS)・血圧・呼吸状態を行い、STEP2で、解剖学的評価である、長管骨骨折やフレイルチェスト・骨盤骨折などを行い、STEP3で、受傷機転の項目で評価を行い、最後にSTEP4で、その他の高齢者や小児・妊婦などの特殊な背景の評価を行う。
  1. 外傷患者の病院前(現場)トリアージ:アルゴリズム
 
CPSS(Cincinnati Prehospital Stroke Scale):
  1. 脳卒中が疑われる場合、①顔面下垂②上肢の動揺③言語の3項目を使ったCPSSにて評価を行う。これらの3項目のうち1項目でも異常を認めたら脳卒中を疑って搬送を行う。
  1. CPSS:<図表>
 
診察前トリアージ:
  1. 診察前トリアージとしてカナダのトリアージシステム(CTAS)を日本版に改良したJTASを用いて行うようになってきている。
  1. 診察前トリアージは来院10~15分以内に行い、緊急度を5段階に分けて評価を行う。評価は第一印象の重症感や来院時主訴、バイタルサインなどに基づいて行う。
  1. JTASレベル1 ―蘇生:
  1. 生命または四肢を失う恐れのある状態(または差し迫った悪化の危険がある状態)であり、積極的な治療が直ちに必要な状態
  1. JTASレベル2 ―緊急:
  1. 潜在的に生命や四肢の機能を失う恐れがあるため、迅速な治療が必要な状態であり、医師による迅速な介入、または医師の監督下での迅速な医学的介入を必要とする状態
  1. JTASレベル3 ―準緊急:
  1. 重篤化し救急処置が必要になる潜在的な可能性がある状態。強い不快な症状を伴う場合があり、仕事を行ううえで支障がある、または日常生活にも支障がある状態
  1. JTASレベル4 ―低緊急:
  1. 患者の年齢に関連した症状、苦痛と感じる症状、潜在的に悪化を生じる可能性のある症状で、1~2時間以内の治療開始や再評価が望ましい状態
  1. JTASレベル5 ―非緊急:
  1. 急性期の症状だが緊急性のないもの、および増悪の有無にかかわらず慢性期症状の一部である場合
 
臨床のポイント:
  1. 災害時は呼吸・脈・意識状態・歩行可能かどうかで評価するSTART法が一般的である。
  1. 診察前トリアージとして、JTASガイドラインを用いる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

簡単なトリアージと迅速な治療(Simple Triage and Rapid Treatment :START)
JumpSTART法
STARTとJumpSTARTを組み合わせたアルゴリズム
SALT法(Sort,Assess,Life-saving intervention,Transport/Treatment)
外傷患者の病院前(現場)トリアージ
CPSS(Cincinnati Prehospital Stroke Scale)
JTAS(Japan Triage and Acuity Scale)の5段階レベル
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05


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