BPSDへの対応(在宅医療) :トップ    
監修: 和田忠志 いらはら診療所 在宅医療部
木之下 徹 こだまクリニック

概要

疾患のポイント:
  1. BPSDとは、認知症の人の呈する症状のうち、認知機能低下以外の行動と心理の症状であるとされる。つまり、原因疾患にかかわらない概念である。しばしば(周囲が)困った症状とラベル化されがちな周辺疾患とは区別すべきである。ところで周辺症状とは、中核症状(脳の変化に直結する症状)以外のことである。暴言暴力などを安易に周囲の都合で周辺症状としがちであるが、それは“脳の変化に直結しない”別の原因があることを示唆している。したがって[周辺症状]といった言葉は、「本人の視点」に基づいて医療を行うのであれば不要であると考えられる。
  1. BPSDの原因には、認知症の原因疾患の中核症状(脳の変化)が本質的な要因となっているものと、それ以外のその人の性格、生活史、健康状態、人間関係、そしてとりまく文化の状況によって発生し得るものとに分けられる。
  1. 中核症状とは何か: >詳細情報 
  1. 周辺症状とは何か: >詳細情報 
 
診断:
  1. 典型的な認知症の原因疾患を想定できない場合には、血液検査、MRI検査、必要に応じて髄液検査、脳波検査が求められる。薬剤性のせん妄などの症状を含めて、処方されている薬剤の全般的なチェックも求められる。(想定外の病態の評価: >詳細情報 )
  1. 電解質の異常では、低Na血症や低K血症、浸透圧性脱髄症候群、硬膜下出血、正常圧水頭症等を評価する必要がある。
 
治療:
  1. 抗精神病薬、抗不安薬、睡眠薬が用いられる事がある。ただし、安易な抗精神病薬、抗不安薬、睡眠薬の処方は、問題を解決しないばかりか、その他の有害事象を引き起こす場合があるので、きわめて慎重に行う必要がある。
 
臨床のポイント:
  1. 認知症の人を診察する医師には、認知症になろうと「人は人」であり、主体性をもって生きる存在であることを、心の底から感じる姿勢が求められる。そのために我々は、誰の何のために医療を提供するのか、を常に意識する必要がある。同時にいまや誰もが認知症になる可能性があることに留意する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者校正/監修レビュー済
2016/06/10