疲労・倦怠感 :トップ    
監修: 徳田安春 一般社団法人 群星沖縄臨床研修センター
鈴木智晴 順天堂大学浦安病院 救急・プライマリケア科

概要

ポイント:
  1. 疲労は比較的多くの人が訴える症状である。世界的には人口の6~8%が疲労を訴えており、日本人成人の約30%が疲労を感じているという( エビデンス )。はじめに行うことは、患者のいう疲労・倦怠感が、眠気なのか、(労作性)呼吸困難なのか、筋力低下ではないか聞いてみることである。またいつから疲労・倦怠感があるのかということも重要な情報である。
 
緊急時の対応: >詳細情報 
  1. 疲労・倦怠感を主訴とする疾患で緊急の対応が必要な診断として、心疾患(急性心筋梗塞や心筋炎)、代謝性疾患(急性副腎不全、甲状腺機能亢進または低下症、糖尿病性緊急症など)、腎・電解質異常(高K・低K、高Ca、低Na、低Mg血症、尿毒症など)、感染症(感染性心内膜炎、劇症ウイルス性肝炎等)などがある。それぞれの診断、症状に従い治療する。
 
症状治療診断的治療: >詳細情報 
  1. 治療は診断に基づいて行う。
  1. 不眠のある患者の治療のメインは不眠の改善である。
  1. うつ病が背景にある際には、うつ病の治療を行うと睡眠障害も改善する。
  1. 不眠に対しては、まず睡眠衛生の指導(部屋を暗くして眠る、テレビやラジオ、携帯電話・タブレット等を寝室で使用しない)を行う。
  1. 高齢者、認知症患者では、日中は明るい窓際で過ごし、眠らないようにすることも重要である。 エビデンス 
  1. 睡眠衛生の改善でよくならなければ、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒の有無、睡眠時間の問診(以前は何時間眠っていたか、休日長く眠ると疲労・倦怠感がとれるかどうか)、睡眠時無呼吸(呼吸の停止やいびきの有無)についても問診する。
  1. 不眠症があるようなら年齢や認知症などの背景を加味して薬剤療法を行う。若い患者ならゾルピデム(マイスリー)、ゾピクロン(アモバン)等の睡眠薬の使用を考慮しても良い ( エビデンス  

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

疲労患者の原因評価のための検査例
  1. 疲労の原因疾患は多岐にわたる。精神疾患、睡眠障害、感染症、心臓呼吸器疾患、膠原病、筋肉疾患、過労や薬物、悪性腫瘍、貧血、肝臓・腎障害などが鑑別となる。6カ月以上の慢性経過ではうつ病、不安障害、睡眠障害の頻度は非常に多い
  1. 診断、原因疾患の鑑別は別記チャートに沿って行う。
  1. 疲労・倦怠感の鑑別のチャートアルゴリズム
  1. ルーチンとしては、比較的頻度の多い疾患を評価するため、血算、電解質異常、甲状腺機能等の評価を行う。
○ 通常ルーチンとして、下記の1)-8)を考慮する。妊娠、低栄養を疑う場合は9)10)の追加を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

疲労・倦怠感の鑑別のチャート
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)臨床診断基準(案) (2016年3月改訂)
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28


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