敗血症

著者: 片岡惇 東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門

著者: 則末泰博 東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門

監修: 志賀隆 東京ベイ浦安市川医療センター

著者校正/監修レビュー済:2018/10/26

概要・推奨  

疾患のポイント:
  1. 敗血症とは重篤な感染症であり、「感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされる状態」と定義される。敗血症では、種々のサイトカインをはじめとする多量のケミカルメディエーターが産生され、多彩な病状を示す。
  1. 現在でも敗血症の頻度は高く、ICUでの最大の死亡原因である。
  1. 患者数は増加しているが、死亡率は「敗血症バンドル」を遵守した場合には低下することが示されている。 エビデンス 
  1. Surviving Sepsis Campaignが推奨するバンドル エビデンス 
  1. 敗血症を認知してから1時間以内に以下の達成を目指す。
  1. 乳酸値を測定する。最初の乳酸値が2 mmol/Lより高ければ再検する。
  1. 抗菌薬投与前に血液培養を採取する。
  1. 広域抗菌薬を投与する。
  1. 低血圧もしくは乳酸値4 mmol/L以上であれば、30 mL/kgの晶質液を急速投与する。
  1. 蘇生輸液中もしくは輸液後に、平均血圧65 mmHg以上を維持することができなければ昇圧剤を開始する。
 
診断: >詳細情報 
  1. 感染症、もしくは感染症が疑われる患者で、かつSOFAスコアが2点以上上昇している場合に敗血症と診断する。
  1. ICU外においては、感染症、もしくは感染症が疑われる患者を認知した場合、quick SOFA(qSOFA)(呼吸数22回/分以上、意識変容GCS≦14、収縮期血圧100 mmHg以下)を評価し、2項目以上を満たす場合は敗血症を疑い、早期介入を開始する。アルゴリズム
  1. 敗血症を疑った際は、できるだけ早期に各種培養を採取し、蘇生と並行して感染巣同定の各種検査を行う。
  1. 臨床所見のみではショックの分類の判断がつかない場合は、心機能評価などその他のショックの鑑別を必ず行う。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 敗血症のうち、「十分な輸液をしても平均血圧65 mmHgを維持するために血管収縮薬が必要」かつ「血清乳酸値が2 mmol/L以上」の場合、敗血症性ショックと定義する。
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価
  1. 最初にバイタルサイン、特にA(気道)、B(呼吸)、C(循環)、D(意識レベル)、E(体温)を確認し、ABCに異常があればただちに是正する。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 2018年SSCGより新たに発表された敗血症バンドル
  1. JAID/JSC感染症治療ガイドライン2017 ―敗血症およびカテーテル関連血流感染症―
に基づき改訂を行った。
 
  1. 前回改訂後に発表された重要なエビデンスを適宜盛り込んだ。


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