インフルエンザ脳症 :トップ    
監修: 細川直登 亀田総合病院
伊藤健太 あいち小児保健医療総合センター

概要

疾患のポイント:
  1. インフルエンザ脳症とは、インフルエンザ感染症に伴う急性脳症を指す。急性脳症の病原体別割合では、インフルエンザは27%を占め最も多い。
  1. 臨床病理学的型が多岐に渡り、脳梁膨大部病変MERS(20%)、けいれん重積型(二相性)急性脳症AESD(10%)、急性壊死性脳症ANE(6%)である。
  1. 発生年齢は平均6.3歳(標準偏差3.4歳)、中央値6歳だが学童期、思春期にも認められる。
 
診断: >詳細情報 
  1. Japan Coma Scale 20以上(Glasgow Coma Scale 10~11以下)の意識障害が急性に発症し、24時間以上持続した場合に急性脳症と診断する。
  1. インフルエンザのウイルス学的診断、頭部CT/MRI、脳波検査を行う。
  1. 迅速診断キットの感度特異度は感度が40~80%程度と高くないため、陰性であっても否定はできない。インフルエンザ脳症が疑われるような場合は複数の方法での検査を考える。またそのために急性期に得た検体(血液、髄液、尿、気道分泌物など)はできる限り保存しておく。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. インフルエンザ脳症は76%が治癒し、死亡が7%、神経学的後遺症が16%に認められる。
 
治療: >詳細情報 
  1. 疑った時点で治療の開始を考慮する。細菌性髄膜炎を考慮した抗菌薬を年齢に応じて選択し、否定されるまで治療を行う。
  1. インフルエンザ流行期、周囲の明らかな流行、曝露歴がある場合は検査が陰性でも抗ウイルス薬治療を開始する。
  1. インフルエンザ脳症を疑った場合に吸入治療ができることはまれであると考えられるため、治療は経口、点滴にて行う。
  1. けいれん重積、頭蓋内圧亢進、高体温への対応など、症状治療を行う。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 急性脳症の可能性が高いと判断した場合、神経、感染症、集中治療の専門家がいる施設への搬送を行う。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

インフルエンザに対する治療
  1. インフルエンザ流行期、周囲の明らかな流行、曝露歴がある場合は検査が陰性でも抗ウイルス薬治療を開始する。
○ 内服治療が可能な1歳以上10歳未満の小児には1)または2)を、内服不能、重症の小児には3)を、内服不能成人の場合は4)を投与する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

インフルエンザ脳症が疑われる症例の初期対応
著者校正済:2017/07/31
現在監修レビュー中

編集履歴:
2018年2月14日 誤植修正
修正箇所:詳細情報
バンコマイシン:60mg/日 分3
バンコマイシン:60mg/kg/日 分3