今日の臨床サポート

インフルエンザ脳症

著者: 伊藤健太 あいち小児保健医療総合センター

監修: 細川直登 亀田総合病院

著者校正済:2022/03/16
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本小児神経学会 「新型インフルエンザ等への対応に関する研究」班:インフルエンザ脳症の診療戦略 2018
  1. 日本小児神経学会 小児急性脳症診療ガイドライン策定委員会:小児急性脳症診療ガイドライン2016
  1. 日本小児科学会インフルエンザ対策ワーキンググループ:2021/22 シーズンのインフルエンザ治療・予防指針
  1. 厚生労働省 インフルエンザ脳症研究班:インフルエンザ脳症ガイドライン【改訂版】
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 迅速診断キットの感度特異度は感度が40~80%程度と高くないため、陰性であっても否定はできない。インフルエンザ脳症が疑われるような場合は複数の方法での検査を考える。またそのために急性期に得た検体(血液、髄液、尿、気道分泌物など)はできる限り保存しておく。
  1. 疑った時点で治療の開始を考慮する。細菌性髄膜炎を考慮した抗菌薬を年齢に応じて選択し、否定されるまで治療を行う。
  1. インフルエンザ流行期、周囲の明らかな流行、曝露歴がある場合は検査が陰性でも抗ウイルス薬治療を開始する。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
伊藤健太 : 特に申告事項無し[2022年]
監修:細川直登 : 未申告[2022年]

改訂のポイント:
  1. インフルエンザウイルスを含む呼吸器パネル核酸増幅検査が保険適用となっているため、検査の項に追加した。
  1. また、治療の項は日本小児神経学会のインフルエンザ脳症の治療戦略に合わせ、補助的治療について改訂した。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. インフルエンザ脳症とは、インフルエンザ感染症に伴う急性脳症を指す。
  1. 急性脳症はJapan Coma Scale 20以上(Glasgow Coma Scale 10~11以下)の意識障害が急性に発症し、24時間以上持続すると定義され、多くは発熱性感染症に伴う。
  1. 急性脳症の病理学的な病態は『急激で広範な非炎症性脳浮腫による機能障害』であるが、頭蓋内の炎症(脳脊髄液細胞数増加)を伴う例もある。
  1. 急性脳症の病原体別割合では、インフルエンザは27%を占め最も多い。
  1. 臨床病理学的型が多岐に渡り、脳梁膨大部病変MERS(20%)、けいれん重積型(二相性)急性脳症AESD(10%)、急性壊死性脳症ANE(6%)である。
  1. 発生年齢は平均6.3歳(標準偏差3.4歳)、中央値6歳だが学童期、思春期にも認められる。
  1. Apdm2009が流行した2009年にインフルエンザ脳症は188人報告されており、季節型インフルエンザに比し年長児が多かった。
 
  1. インフルエンザ脳症の診療は2009年に出版されたインフルエンザ脳症ガイドライン【改訂版】(厚生労働省 インフルエンザ脳症研究班)や2016年に出版された小児急性脳症診療ガイドライン2016(日本小児神経学会)を参考にする。(参考文献:[1][2]
 
  1. まとめ:急性脳症は病態、原因が多岐に渡る疾患であり、診療、治療に関するエビデンスが乏しい。最新のガイドラインである小児急性脳症診療ガイドラインにおいても支持療法としての副腎ステロイド、ガンマグロブリン投与、血液浄化療法などについては、推奨グレードは高くないことに留意し、今後の科学的知見の集積を待つ必要がある。(ANEに対する発症早期のステロイドパルス療法は推奨グレードBである。)
 
問診・診察のポイント  
  1. 問診ではインフルエンザ感染症の曝露歴、および周囲の流行状況などの疫学情報を聴取する。

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文献 

Caroline Chartrand, Mariska M G Leeflang, Jessica Minion, Timothy Brewer, Madhukar Pai
Accuracy of rapid influenza diagnostic tests: a meta-analysis.
Ann Intern Med. 2012 Apr 3;156(7):500-11. doi: 10.7326/0003-4819-156-7-201204030-00403. Epub 2012 Feb 27.
Abstract/Text BACKGROUND: Timely diagnosis of influenza can help clinical management.
PURPOSE: To examine the accuracy of rapid influenza diagnostic tests (RIDTs) in adults and children with influenza-like illness and evaluate factors associated with higher accuracy.
DATA SOURCES: PubMed and EMBASE through December 2011; BIOSIS and Web of Science through March 2010; and citations of articles, guidelines, reviews, and manufacturers.
STUDY SELECTION: Studies that compared RIDTs with a reference standard of either reverse transcriptase polymerase chain reaction (first choice) or viral culture.
DATA EXTRACTION: Reviewers abstracted study data by using a standardized form and assessed quality by using Quality Assessment of Diagnostic Accuracy Studies criteria.
DATA SYNTHESIS: 159 studies evaluated 26 RIDTs, and 35% were conducted during the H1N1 pandemic. Failure to report whether results were assessed in a blinded manner and the basis for patient recruitment were important quality concerns. The pooled sensitivity and specificity were 62.3% (95% CI, 57.9% to 66.6%) and 98.2% (CI, 97.5% to 98.7%), respectively. The positive and negative likelihood ratios were 34.5 (CI, 23.8 to 45.2) and 0.38 (CI, 0.34 to 0.43), respectively. Sensitivity estimates were highly heterogeneous, which was partially explained by lower sensitivity in adults (53.9% [CI, 47.9% to 59.8%]) than in children (66.6% [CI, 61.6% to 71.7%]) and a higher sensitivity for influenza A (64.6% [CI, 59.0% to 70.1%) than for influenza B (52.2% [CI, 45.0% to 59.3%).
LIMITATION: Incomplete reporting limited the ability to assess the effect of important factors, such as specimen type and duration of influenza symptoms, on diagnostic accuracy.
CONCLUSION: Influenza can be ruled in but not ruled out through the use of RIDTs. Sensitivity varies across populations, but it is higher in children than in adults and for influenza A than for influenza B.
PRIMARY FUNDING SOURCE: Canadian Institutes of Health Research.

PMID 22371850
Ai Hoshino, Makiko Saitoh, Akira Oka, Akihisa Okumura, Masaya Kubota, Yoshiaki Saito, Jun-Ichi Takanashi, Shinichi Hirose, Takanori Yamagata, Hideo Yamanouchi, Masashi Mizuguchi
Epidemiology of acute encephalopathy in Japan, with emphasis on the association of viruses and syndromes.
Brain Dev. 2012 May;34(5):337-43. doi: 10.1016/j.braindev.2011.07.012. Epub 2011 Sep 15.
Abstract/Text A research committee supported by the Japanese government conducted a nationwide survey on the epidemiology of acute encephalopathy in Japan using a questionnaire. A total of 983 cases reportedly had acute encephalopathy during the past 3 years, 2007-2010. Among the pathogens of the preceding infection, influenza virus was the most common, followed by human herpesvirus-6 (HHV-6) and rotavirus. Among syndromes of acute encephalopathy, acute encephalopathy with biphasic seizures and late reduced diffusion (AESD) was the most frequent, followed by clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion (MERS), acute necrotizing encephalopathy (ANE) and hemorrhagic shock and encephalopathy syndrome (HSES). Influenza virus was strongly associated with ANE and MERS, HHV-6 with AESD, and rotavirus with MERS. Mortality was high in ANE and HSES, but was low in AESD, MERS and HHV-6-associated encephalopathy. Neurologic sequelae were common in AESD and ANE, but were absent in MERS.

Copyright © 2011 The Japanese Society of Child Neurology. Published by Elsevier B.V. All rights reserved.
PMID 21924570

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