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膵神経内分泌腫瘍(p-NET)

著者: 辻野元祥 東京都立多摩総合医療センター

監修: 平田結喜緒 公益財団法人 兵庫県予防医学協会 健康ライフプラザ

著者校正/監修レビュー済:2020/07/21
参考ガイドライン:
  1. 膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)診療ガイドライン2019年【第2版】. 金原出版株式会社

概要・推奨  

  1. 膵神経内分泌腫瘍(NET)のWHO分類は2017年に改訂され、新たに高分化型NETにG3が設けられた(推奨度1)。
  1. ガストリノーマの過半は悪性であり、高率にリンパ節転移を認める。ガストリノーマではMEN1の検索を進める(推奨度2)。
  1. グルカゴノーマによるグルカゴン過剰症状として、壊死性遊走性紅斑は疾患特異性が高い(推奨度1)。
  1. VIPオーマは大量の水様下痢、低カリウム血症、低酸症、代謝性アシドーシスを来し、WDHA症候群と呼ばれる(推奨度1)。
  1. ソマトスタチノーマは、高率に肝転移し、約9割が悪性である(推奨度1)。
  1. ガストリノーマではリンパ節転移が多く、切除術の際はリンパ節郭清が必要となる。また、本症は十二指腸にも高率に発生するため、十二指腸の確認が重要である(推奨度2)。
  1. グルカゴノーマは約半数が悪性であり、高率に肝転移とリンパ節転移を来す。そのため、切除術に伴って、リンパ節廓清が必要となる(推奨度2)。
  1. VIPオーマの40~80%は悪性であり、診断された場合、リンパ節郭清を伴う膵切除が推奨される。転移がある場合も、症状緩和のために切除術が推奨される(推奨度2)。
  1. 散発性の非機能性膵NETと診断された場合は、リンパ節郭清を伴う膵切除が推奨される(推奨度2)。
  1. 切除不能膵NET G1/G2(WHO分類2017)に対する抗腫瘍薬としては、mTOR阻害薬のエベロリムスやキナーゼ阻害薬のスニチニブの有効性が示されている(推奨度2)。
  1. 膵NECに対する抗腫瘍薬として、プラチナ系薬剤とエトポシドまたはイリノテカンの併用療法が推奨される(推奨度2)。
  1. 膵NETおよび膵NECの内分泌症状緩和目的の薬物治療としては、ソマトスタチンアナログが最も有効であり、速効性がある(推奨度2)。
  1. 膵NET術後のフォローアップに際しては、腫瘍マーカー測定と画像診断が再発同定に有用である(推奨度2)。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 膵神経内分泌腫瘍のうち、低分化型のNEC(neuroendocrine carcinoma)に対する治療について新たに記載した。
  1. 膵NETの中でもMEN1/VHLは比較的まれな疾患であるが、診断、治療、フォローアップが散発例と異なるため、スクリーニングの方法を含め、新たに記載した。

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