膵神経内分泌腫瘍(p-NET)

著者: 辻野元祥 東京都立多摩総合医療センター

監修: 平田結喜緒 公益財団法人 兵庫県予防医学協会 健康ライフプラザ

著者校正/監修レビュー済:2018/10/26

概要・推奨  

疾患のポイント:
  1. 神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor、NET)は神経内分泌細胞に由来する腫瘍の総称である。
  1. NETは膵以外にも、神経内分泌細胞が存在する全身の組織で発生し得る。
  1. 膵NETはホルモンを産生する機能性腫瘍と産生しない非機能性腫瘍に分類される。機能性腫瘍には、インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、VIPオーマ、およびソマトスタチノーマがある。
  1. NETは2010年版のWHO分類が用いられてきたが、2017年に改訂され、特に高分化型を組織におけるKi67指数(細胞増殖能の指標)と分裂指数によってG1/G2/G3に分類するようになった。
  1. インスリノーマ
  1. β細胞から発生し,自律性にインスリンを分泌する腫瘍。約90%が良性である。自発的低血糖を機に診断されるが、精神疾患・神経疾患と診断されていることも多い。
  1. ガストリノーマ:
  1. ガストリンを産生する腫瘍であり、多発性内分泌腫瘍症1型(MEN)に合併する機能性膵NETで最も頻度が高い。膵以外にも十二指腸に高頻度に発生する。60~90%が悪性で、リンパ節転移も多い。
  1. グルカゴノーマ:
  1. α細胞から発生し、自律性にグルカゴンを産生する。グルカゴン過剰症状として、壊死性遊走性紅斑が特徴的で、他には耐糖能障害、体重減少などを呈する。約半数が悪性である。
  1. VIPオーマ:
  1. VIPによる腸液・膵液の過剰産生により、大量の水様下痢、低カリウム血症、低クロール血症、代謝性アシドーシスを来し、WDHA症候群 とも呼ばれる。悪性の割合は40~80%である。
  1. ソマトスタチノーマ:
  1. ランゲルハンス島、膵管上皮、腺房細胞のδ(デルタ)細胞由来のソマトスタチン産生腫瘍である。耐糖能異常、胆石症、脂肪便、慢性下痢、体重減少などの多彩な症状を呈する。約90%が悪性で発見時には高率に肝転移を認める。
  1. 非機能性膵NET:
  1. ホルモンによる過剰症状を示さない膵NETの総称である。膵NETの約半数を占め、うち、約半数が悪性である。
 
診断・病期分類:
  1. それぞれ、産生するホルモン…
膵NETのWHO分類(2017)
 
膵NETのTNM分類
 
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)


ページ上部に戻る

疫学、診断、治療、予後、それらのエビデンス等をご覧になりたい場合には、
トライアル登録またはご契約へ
  • 内分泌 の他のコンテンツを見る